7インチと配信でリリースされる約3年ぶりの書き下ろし曲。諸行無常という言葉があるように万物は変化していくわけで、何かが変化しようとしている時に、〈何を 見ても 何もしない〉大人と、〈何も 言わずに 全て見てる〉子供がいることが、まるで何かの象徴のようにこの曲で描かれている。そしてそれらを乗せて静かに海を渡っていく小舟。きっとこういう光景は、時代の移り変わりにはいつでも訪れる不変の光景であり、この〈変化〉と〈不変〉の対比を、坂本慎太郎、AYA(ベース)、菅沼雄太(ドラムス)、ゑでゐ鼓雨磨(ゲスト・ヴォーカル/ゑでぃまぁこん)の4者が、ただひたすらに淡々と、しかし独特のグルーヴをもって描いていく。
B面は、坂本が詞を提供したCornelius“未来の人へ (Dear Future Person)”(『Mellow Waves』収録曲)のカヴァー。こちらも3人編成+ゑでゐ鼓雨磨によるシンプルなアレンジだが、テンポを落とし、若干のシャッフル感や浮遊感を加えて生のバンドで演奏することで、全く別の楽曲に生まれ変わっている。こちらも歌詞は、〈私〉がいなくなっても〈文字〉や〈音楽〉は残り続けるという、ある種の〈変化〉と〈不変〉の対比を表現しているようにも感じられ、通して聴くことで2曲に共通する世界観やテーマが広がっていく。