インタビュー

向井太一がオントレンドでありながらオルタナティヴな新作に込めた揺るぎない感情とは?

向井太一『SAVAGE』

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リリース・ペースが加速している(!?)向井太一の関連作品

 配信限定なども含めると、さりげなくリリース・ペースの早い向井太一。そこに加え、近年は外部参加も増えてきていて……ということで、ここではデビュー以降に彼の関与したあれこれの作品を振り返ってみよう。

 まず、自身としての初作はKENSHUが主宰するillxxxからのリリースとなった2016年のEP『POOL』。レゲエ、R&B、ヒップホップ、ソウル、日本の歌謡曲……といった自身のルーツと〈オントレンド〉な音楽性との融合といった手法はこの時点から一貫しており、端正なアンビエントR&Bのなかにソウルフルなミディアムが表題曲として据えられている点もまた彼らしいところ。そこからタワレコ限定で発表されたシングル“SLOW DOWN”や、盟友のCELSIOR COUPEに加えて grooveman Spotやyahyel、starRoらを迎えたEP『24』を挿んで2017年にはファースト・アルバム『BLUE』をリリース。生音の比重が高まった同作は、当人いわく「ブルーアイド・ソウルというか、抜け感のある絶妙なニュアンスのブラック・ミュージックがベース」の作品。もちろんフューチャーR&Bのテイストも随所に盛り込みつつ、スタンダードなポップ感覚に溢れた一枚に。

 そうした音楽的IDを示したのち、向井はMonster Rion“Message”やあっこゴリラ“ゲリラ”へ客演。さらには、みずからのEP『LOVE』とほぼ同時期に人気声優/舞台俳優のブラック・フィーリングに満ちたシングル“FREEDOM”で全3曲の作詞/作曲を担当し、主役のいつになくシック&セクシーな歌唱を引き出すと、ヒップホップやR&Bの名曲を日本のアーティストがリメイクするシリーズ企画〈ReVibe〉にボビー・ブラウン“Rock Wit'Cha”のカヴァーで参加。その直後にはセカンド・アルバム『PURE』を発表している。従来の先鋭性は保持しつつ、蔦谷好位置、☆Taku Takahashi、KREVAとも手合せした同作ではメッセージ性が向上。よりメインストリームへと目を向けた印象で、いわば、〈向井流のJ-Pop〉を堪能できる仕上がりだった。

 今年に入ってからも、SHE IS SUMMER“Highway Records”やBOYS AND MEN“ONE WAY”、DJ HASEBE“Groovin' In the Sunshine”にシンガーや作家として クレジット。『SAVAGE』の3か月前にはEP『27』も送り出していて……向井太一のコンスタントな動きは、今後もまだまだ続きそうだ。 *bounce編集部