デュオリサイタル〈土と挑発〉で令和元年度(第74回)文化庁芸術祭音楽部門大賞を受賞した郷古廉さんと加藤洋之さんのコンビによるニューアルバム。今回はタイトルの通り没後150年のルクーとその師匠格にあたるフランクのヴァイオリン・ソナタ、そして余白にイザイの小品2曲(《子供の夢》《冬の歌》)とベルギーの作曲家が並びます。郷古さんの線が太く渋い輝きを放つ音はフランク、ルクーのソナタにぴったりで両作品が宿す独特の粘性を強靭に表現しています。クリアな質感の彫りの深いタッチで聴かせる加藤さんのピアノとの響き合いも絶妙です。