既成概念を覆す前衛的な自身の作品だけでなく、クラムド・ディスクの主宰を通じて後続アーティストたちの道標ともなっていたマルク・オランデル。本作はオランデル率いるアクサク・マブールとして3作目にあたり、40年振りとなる新作だ。テクノロジーが進化したことで、世界中に点在する刺激的な音楽と出会える機会も格段に増えているが、そんな環境下でもアクサク・マブールの多様な意匠(チェンバーロック、ジャズ、ブラジル音楽、ポップス、etc……)と、懐かしくもフレッシュという時代を超越した折衷性は、怪しさや可愛いらしさ、そして洒落っ気もたっぷりと含み何とも不思議で、強く惹きつけられる。