アルカント・カルテットの一員としても活躍する一方、現在の作曲家もこぞって新曲を作曲するビオラの名手、タベア・ツィンマーマンの新作『カンティレーナ』はピアソラやファリャといった南米、スペインの作曲家による作品集。今までビオラを含むクラシックの作曲家のオリジナル作品をレパートリーの中心として来た彼女にとっては珍しくアレンジもの中心の選曲でクロスオーヴァー的な仕上がりになっている。冒頭のピアソラの“グランタンゴ”を情熱的に聴かせるかと思うとタイトル曲“カンティレーナ”ではしっとりと聴かせる。彼女の新たな魅力を引き出したアルバム。