西脇義訓(指揮)、デア・リング東京オーケストラ『ブルックナー:交響曲第7番(ハース版)』楽員の自発性を信じ独特の空間的・時間的拡がりを演出した名演

2020.08.21

ブルックナーの第7は、鑑賞する、というより、その響きにゆったりと浸る、という言葉が相応しい交響曲である。この作品の他に類を見ない空間的、時間的な拡がりを満喫させてくれる演奏は意外に少ない。このCDはチェロ8名を最前列に並べ、その背後の弦楽器や管楽器の奏者は立って演奏する、という独自の配置で演奏されている。指揮者の西脇はスコアと楽員個々の音楽性を信じ、簡単な合図を送るだけで楽員たちが互いに聴き合うことを要求し、まったく自然な音楽の流れを生み出すことに成功。その響きは楽員の自発性と独自配置により実に豊かな拡がりをもち、作品の醍醐味をとことん堪能させてくれる。

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