ラファウンダことヤスミン・デュボワのセカンド・アルバム。前作『Ancestor Boy』(2019年)はワープでの初EP『Tan』(2016年)と比べるとニューエイジ色が濃く、それはジョン・ハッセルの〈第四世界〉のスピリットを宿したものだった。つまり、グローバルな世界における各地の伝統的な音とテクノロジーの融合であり、彼女の前衛的なダンス・ミュージックと土着的な音楽を軸としたものだった。いま思えば、それは変化の序章だったのかもしれない。今作にはもはやダンス・ミュージックとしての機能はほとんどなく、あるのはダークで美しいシネマティックな世界。いままではベース・ミュージックの文脈で語られることが多かっただけに、彼女の引き出しの多さには脱帽せざるを得ない。記憶に残る〈第五の季節〉だ。