EP『冬の大六角形』に続き、エレクトロニック・ポップにフォーカスしたフル・アルバム。ベッドルームで思い描いた気ままな夢想をサウンドに結実させたような楽曲の数々は、どれもチャーミングでロマンティック。ニュー・ノーマルな心象にフィットする、この人らしいセンスが冴えたシンセ・ジャズ“秋を待たずに”の他ではお目にかかれない洒脱さも素晴らしい。長いキャリアを経てまた新たな境地を拓いたことに瞠目させられる。