ヨーロッパの影響濃くジャズも盛んで独自の音楽進化を続ける南アフリカからクワイトやゴムといったハウスを出発点としたダンス・ミュージックの流れの中また新たに先鋭的なサウンドが生まれた。それが本作の主人公テノ・アフリカがタイトルにも冠するアマピアーノだ。ディープ・ハウス系の甘美な鍵盤系ウワモノを特徴とするチルで洗練されたサウンドなのだが、このテノは21歳の若さながらいきなり群を抜く洗練度。キックやスネアの入れ方が独特で音数も厳選されており、チープなドラムマシンの軽さと相まってひじょうに中毒性がある。先述した自国ダンスの歩みを踏まえつつすでに次の扉の先も垣間見せる作品。