
新世代インフルエンサーによるアイドル・ユニットが待望のシングル・デビュー! 人それぞれのカラフルな在り方をポップに肯定する二人のめざすものとは?
ぎんしゃむ × ぷうたんという男の娘インフルエンサーによるアイドル・ユニット、MM(メイメイ)。SNSの総フォロワー数は80万人を超える人気者の2人が昨年2月にコンビでYouTubeチャンネルを開設し、同年9月にアイドル活動を開始。10月にEP『Make up magic』を配信してSHIBUYA O-EASTの単独公演でステージ・デビュー、今年に入ると定期公演をマンスリーで開催……と着実に歩を進めるなか、このたび初のシングル“イロトリドリノヒビ”を届けてくれた2人に話を訊きました。
自然なことだった
――まず、それぞれがアイドルになりたいと思ったきっかけを教えてください。
ぎんしゃむ「けっこう昔からアイドル好きで、大阪なんでNMB48さんとかをよく見てて〈カッコイイな〉〈なりたいな〉と思って。で、自分は承認欲求が強いし、自分でも可愛いと思ってたんで(笑)、それを活かしてお仕事したいなと思ったのもありました」
ぷうたん「もともと音楽とか絵とかで自分を表現するのが凄い好きで。そのなかで、きゃりーぱみゅぱみゅさんを初めて観た時に、〈こんな自分らしく自分をのびのび表現してる人が日本にいるんだ!〉って思いつつ、同時に〈あっ、自分らしくいていいんだ〉っていうのも思って。そこから自分も勇気を得られたし、〈自分もいつかこういう人になりたいな〉って思ったのが最初です。だからいわゆるアイドルさんっていうより、きゃりーちゃんがきっかけかもしれないですね」
――いわゆるアイドルの形を選んだのは?
ぷうたん「自分では普通のことと言いますか、周りからは男の子として接してこられたりはしたけど、私はずっと女の子になりたかったし、女の子だと思ってるので、それが自然でした」
ぎんしゃむ「自分は〈女の子になりたい〉っていうのは特になくて、普通に可愛いを追求してた流れで自然にこういう形になりました。自分がこういう格好してても、周りに何か言われたりすることもなかったし」
――資料には〈2016年にSNSを通じて知り合った〉とあります。
ぷうたん「お互いSNSのいわゆる自撮り界隈みたいな感じで、ぎんしゃむのことは〈可愛い子だな〉ってTwitterで見てて、そしたらフォローがきて、〈わっ、嬉しい!〉ってフォロー返したのがきっかけです」
ぎんしゃむ「普通に〈可愛い~〉みたいなテンションでフォローしました(笑)」
ぷうたん「その時はお互い中学生だったから校則で髪の毛とかも伸ばせなくて、見た目も〈可愛い系の男の子〉みたいな感じでした。会って話したのは、それから1年後ぐらいですね」
ぎんしゃむ「15歳ぐらいの時に東京でのお仕事が重なって、〈じゃあ、遊ぼう〉って。でも根本的に性格が真逆なんですよ。しかも中学生だったから、その時は何か〈ノリ合わなっ!〉みたいに感じて」
ぷうたん「ぎんしゃむが反抗期で(笑)」
ぎんしゃむ「めっちゃ尖っててヤバかった」
ぷうたん「〈え、この人ヤバい〉って思って、二度と遊ぶことはないなって思った。でもおもしろいのが、出会う前は毎晩ぐらい電話で話してたのに、会ってみたら〈合わない〉って(笑)」
ぎんしゃむ「めちゃめちゃ普通に暇電してたのに、〈何かちゃうな〉って(笑)。でも、それから2年後ぐらいに連絡した頃は丸くなってました」
ぷうたん「反抗期も終わって〈あっ、マシになってるわ〉って思って(笑)。で、笑いのツボとかも同じだったりして、〈楽しいかも〉って、そこから仲良くなりましたね」
ぎんしゃむ「むしろそこからが始まりです」
――最初の印象で終わらなくて良かったですね。それで、ぎんしゃむさんがアイドル活動に誘って。
ぎんしゃむ「そうですね。自分が誘いました。アイドル本格的に始めたいって思って」
ぷうたん「もう1~2年ぐらいずっと〈アイドルやりたいよね〉みたいな話はしてたよね。〈やりたいよね〉〈うん、そうだね〉ぐらいの、冗談交じりみたいな話で」
ぎんしゃむ「自分はけっこう本気で言ってたんですけど(笑)」
ぷうたん「そう。私は高校3年生で進路を決めなきゃいけない時期で焦ってて、高1で東京に出てきてるので親も心配してるし。まだSNSで活動したいし、アイドルもやりたいってずっと思ってたけど、自分でも〈そろそろ安定したほうがいいのかな〉って就職する方向で進んでた頃に、ぎんしゃむからいつもと違う感じで〈本当にアイドルやらない?〉って誘われて」
――悩みましたか。
ぷうたん「そうですね。でも断ったら絶対後悔するなって思って。ずっと自分を貫き通してきたからこそ楽しく幸せにやってこれたから、なのに諦めちゃうのは自分らしくないなって思って、やることにしました」
ぎんしゃむ「やるなら男の娘アイドルがしたかったんですよ、話題性とかもあると思うし。ぷうたんぐらい可愛い男の娘はいないし、だから誘いましたね」
――理想のアイドル像はありますか?
ぎんしゃむ「パフォーマンスの理想というか、個人的にキレイやなと思って感化されるのは坂道さんが多いです。自分たちは2人組なんですけど、2人やからこそできるパフォーマンスがあるよなって思ってます」
ぷうたん「その、〈人とは違う〉っていう言い方はしたくないんですけど、生きてきて他の人とは違う経験をしたり、自分たちなりにつらさがあって、葛藤もしてきて。やっぱり同じような境遇の方がいると思うし、そうじゃなくても自分のコンプレックスや自分の嫌なところと闘ってる方もいて、そういうみんなを自分たちの活動やパフォーマンスで勇気付けたり、元気付けたり、そういう方たちの希望になりたいなと思ってます」
人それぞれでいいんだよ
――今回のシングル“イロトリドリノヒビ”はまさにそういう曲になりましたね。
ぷうたん「はい。〈人それぞれ十人十色でいいんだよ〉みたいなエールと言いますか、第一印象でホントにMMらしい楽曲だなって思って。明るくて可愛いけど背中を押せる曲っていうのが凄いMMらしいから、初めてのシングルがこの曲で良かったです」
ぎんしゃむ「率直に見てわかる通り、〈自分らしくでいいよ〉〈ありのままでいいよ〉みたいな歌詞で、そこがマジで伝わればいいなっていう気持ちです。自己肯定感をみんなで一緒に上げていこうよっていう」
――IDOL M@STER曲などを手掛ける本田正樹さんの作詞/作曲ですが、MMのコンセプトも踏まえて書かれた内容ですね。
ぎんしゃむ「はい。自分たちと重なる部分があるし、自分たちが伝えたいことをちゃんと歌詞にしてもらえたなと思ってます」
ぷうたん「こういう内容を重くなく歌えるのも、この2人らしいなって」
――新しい常識について歌ってるけれども、可愛い雰囲気なので自然に伝わりやすいですね。
ぎんしゃむ「確かに、けっこうポップな曲調やから聴きやすいと思います」
――一方、カップリングの“nosy hero”は、これまでの配信曲も手掛ける古屋葵さんの作曲、mimimyさんの作詞で。
ぷうたん「憧れの人を自分のヒーローに見立てて、〈その人みたいになりたい〉みたいな。自分が助けられたから、自分もそういう素敵な人になりたい、っていう歌ですね」
ぎんしゃむ「自分が憧れてた人に、つらい時に助けてもらったみたいなのを歌詞にしてて。曲調もけっこうカッコイイめです」
ぷうたん「どっちの曲も好きですけど、曲調的に“nosy hero”は感情が入りやすいです。曲をいただいて歌詞を見た時に、自分の中のヒーローは親だなって解釈して、レコーディングの時は親の顔を思い浮かべて歌いました。それを古屋さんに話したら〈俺もこれ親だと思ってる〉って言ってて。解釈は人それぞれで、誰でも自分のヒーローっていると思うんですけど、私は歌詞の通り親に助けられたし、つらい時は支えてもらったので、そう思って歌いました」
ぎんしゃむ「そうなんだ、素敵」
――今回のリリースを機に新しく出会う人たちもさらに増えていくと思いますが、MMとしての今後の目標はありますか?
ぎんしゃむ「武道館に2人で立ちたいなっていうのはずっと言ってて。で、自分は冠番組を持ちたいなっていうのがあります。やっぱ目標はデカくって感じで(笑)。そのためにたくさんの人に知ってもらう、観てもらうっていうのが直近の目標ですね」
――いまの課題はありますか?
ぷうたん「うちは歌があんまり得意じゃなくて、声量もないので、思ったように歌えなくて。自分では歌に魂を込めてるつもりだけど、聴いたら棒読みに聴こえることもあって。だからたくさん声を出す練習をしたり、歌が上手い友達に練習を一緒にしてもらったりしてますね」
ぎんしゃむ「自分けっこうライヴ中アドレナリンが凄い出てて、ほとんど記憶がないんですけど(笑)。お客さんの顔をちゃんと見るのは意識しようと思ってて。あの、もともと人見知りで、人の目とか見れないんですよ。全員がこっち見てるみたいな状況に慣れなくて、最初の頃はパフォーマンス中も下向きがちだったんですけど、最近はちゃんと顔を上げるようになってきました。あんま覚えてはないんですけど(笑)」
ぷうたん「でもライヴ後には〈今日はこうだったね〉〈ここはもっとこうしよう〉って2人で反省会をするようになったね。あと、ライヴの動画は絶対に観るようにしてて、〈ここの時の手はここに置いたほうがファンの方が観やすいな〉とか〈ここはこういう表情のほうが伝わるな〉とか、次のパフォーマンスが良くなるように考えてます」
ぎんしゃむ「まだまだ全然なんですけど、気持ちはマジで本気のアイドルなので。ライヴに来てもらってる以上は絶対に損させたくないし、みんなと楽しもうっていう気持ちでパフォーマンスしてます」
ぷうたん「楽しむのはもちろんですし、一曲一曲、歌詞の1文字1文字に感情を込めたいし、パワーを込めたいし、思いを伝えたい。毎ライヴ毎ライヴで良いものを更新していきたいと思っています」
