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もっと大きいグループになる

 そして感傷的なドリーム・ポップの表題曲“I would prefer not to”。〈目的もなく生まれたの なのにとても怖いんだよ〉と世を儚むような歌詞、どこか切実な歌声に滲むのは、〈生〉について真摯に向き合ったがゆえの〈死〉という選択か、あるいは……。

愛望「“I would prefer not to”はきっとみんなに愛される曲になるだろうなって思っています。MVではみんなが一人一人違う演技をしていて、それが繋がってストーリーになるんですけど、私は最後、畑の中で死ぬんですよ」

輝菜「でもライヴの振りでは死なずに、最後は後ろを向いて、全員で上を見るんです。〈あっちに行くよ〉みたいな感じで」

愛実「死を表現しているけど、暗くはなり過ぎていない」

杏優「死を待っている感じというか。歌詞も死を前向きに認める気持ちを書いたって聞きました」

葵奈「この曲ではわざとブレス音が入るぐらいの勢いで息を吸いながら歌っていて。それが苦しい感じなのか、がんばって生きようとしているからなのかはわからないですけど、すごくもがいてる歌い方をしました。ワンマンで歌うと絶対に泣いちゃうと思います」

 12月27日には本シングルのタイトルを冠したワンマン・ライヴを東京・渋谷CLUB QUATTROで開催。この状況下においてなお現場での音楽体験を軸に活動する6人が、この先、様変わりした世界にどんな〈状況〉をもたらしてくれるのか。期待は尽きない。

すず「毎回新しいことに挑戦していってるので、これからもどんどん新しいことをやっていきたいです」

輝菜「普通の可愛いアイドル、かっこいいアーティストさんとかではない、それとは違う新しいジャンルを作りたいっていう話はメンバーとよくしていて」

愛実「私たちはなんて言っていいのかわからないんですけど、なんか個性的なんですよね。アウトローな感じ? 別に法律から外れてはいないんですけど(笑)」

愛望「あと、他のグループさんのライヴでお客さんが声出しをグッと我慢しているのを見ますけど、私たちはコロナ禍の中で結成したグループなので、最初から声出しがないんですよ。私たちのライヴはみんなが身体全体で楽しんでいる感じなので、シチュをはじめとして、そういうグループがどんどん増えたらいいなと思っています」

葵奈「いまはまだ自信が足りなくて〈私たちって……〉っていう感じですけど、新年はもっと大きいグループになって、ワンマンでZeppに立ちたいです!」

杏優「12月27日のワンマン以降も、今後のことが実はたくさん決まっていて。それにやっぱりアイドルをやっているからには立ちたいステージがいっぱいあるので、それを全部叶えていきたいです」

situasionのファースト・アルバム『debutante』(Sanbai)。