アイドルの本懐たるライヴのフィールドで新たな状況を構築する野心的な6人組。ニュー・シングルを引っ提げて急成長する注目グループの現在と未来に迫る!
新時代を作っていこうね
世界が大きく揺れ動き、誰もが〈状況の変化〉を余儀なくされた現代。音楽業界においても、創作活動やライヴの在り方といった点で計り知れないほどの影響があったわけだが、そんな逆風吹きすさぶ新時代の最中、2020年11月に結成されたのが、西野愛望、羽柴愛実、増田葵奈、小川すず、蒼井輝菜、杏優の6人から成るアイドル・ユニット、situasion(シチュアシオン)だ。
羽柴愛実「私たちのコンセプトは〈新しい状況を構築する〉というもので、楽曲の中でいろいろな状況になるんですよ。例えば、ストーカーになったり、死んでしまったり、奥さんに先立たれてしまった旦那さんの気持ちになったり。そういう普通はすることのない体験を、自分たちが表現するんです」
西野愛望「同じライヴがないのが私たちのウリで、同じ曲をやっても、お客さんの感想や評価が毎回違うんです。ステージ上で歌ったり踊ったりしていないときは、すぐへにょへにょになっちゃうんですけど(笑)」
小川すず「でもライヴはやっていて楽しいです」
結成から間もない2020年12月に初ライヴを開催して以来、ほぼ毎週のようにステージに立ってきた彼女たち。元日早朝の〈HATSUHINODE〉で幕を開けた2021年1月には初のアルバム『debutante』をリリース、その後も配信を中心に次々と新曲を発表して、結成からここまでの1年、ひとときも止まることなく走り続けてきた。
増田葵奈「2020年の年末に、大晦日と元旦に年越しを跨いで2回ライヴをやったんですけど、その夜、泊まっていたホテルでみんなで牛丼を食べながら大事な話をしたんです(笑)。自分たちのいまの気持ち、これからめざしていきたいところ、いろんなことを話し合って。そこで〈このメンバーでがんばるぞ!〉っていう気持ちがさらに強くなって、この1年をがんばれました」
愛望「そのときに、みんなで半分泣きながら、〈新時代を作っていこうね〉って、約束みたいなことをしたんです」
杏優「この1年間は本当にあっという間で。私は6月浅草花劇場でやった初めてのワンマン〈situasion 1st Oneman LIve 「KAWARA GIRLS」〉が、前座に落語があったり、プロデューサーさんが手をかけていろいろ考えてくれたので、特に思い出に残っています」
蒼井輝菜「それまで浅草花劇場みたいに大きな会場でライヴをやったことがなかったし、(ファンが)メンバー一人ずつの横断幕も出してくれて、〈自分が有名人みたいになってる!〉ってすごく感激しました」
愛望「ワンマンや生誕祭も印象深いですけど、私は大阪遠征でライヴを観てから憧れていたアイドルさんと、そこから半年も経たないうちに対バンできたことがすごく嬉しくて。最初の頃はイヴェントに出演してもトップバッターが当たり前だったんですけど、結果を残したら出演順もだんだん後ろになって。大きなイヴェントでトリになれたときは〈シチュすごいな〉って思いました」