光田康典も激推し! デンマーク出身の北欧音楽界の最高峰トリオが来日

 発売から20年以上経た現在も熱狂的なファンの多いゲーム「クロノ・トリガー」とその続編「クロノ・クロス」。4月に配信された後者のリマスター版には、オリジナルでも音楽を担当した光田康典が新曲1つと新編曲7つを提供。うち4曲では、光田が惚れ込んだデンマークのフォークグループ〈Dreamers’ Circus〉とコラボしている。彼ら3人――ルネ、アレ、ニコライに話を聴いた。

 「光田さんから10曲ほど候補を送ってもらい、その中から私たちが選んだ曲を完全に自由にアレンジさせてもらいました。“テルミナアナザー”は、〈デンマークのポルスカ?〉と思ったぐらいで、初めて聴いたとは思えず驚きました」

 原曲は打楽器も入った賑やかしい曲だが、彼らは原曲の魅力を壊すことなく、上質な音色による響きが心地よい、現代的な大人の音楽として聴かせてくれる。「クロノ・クロス」をやったことのある人にとってトラウマとなる場面で流れた“運命に囚われし者たち”は、劇的な雰囲気を抑えて内面性を打ち出したアレンジになることで光田の流麗な旋律が際立つ。

 「単なるコピーではなく、僕たちらしさを出すためにどうすべきか、実はこの曲で結構悩んだんです。他にも2~3つアレンジしてみて、闇だけじゃなく光も感じられる今の形に落ち着きました。僕たちが大事にしているのは良し悪しではなく、自分に誠実に向き合って〈個性〉が出せているかどうか」

 この言葉通り、あと2曲(“航海 アナザー・ワールド”“溺れ谷”)でも原曲の雰囲気を受け継ぎつつ、新しい魅力を打ち出すことに成功。ゲーム音楽好きは勿論のこと、ワールドミュージックやクラシックのリスナーも聴けば、強く惹きつけられるはずだ。ちなみにヴァイオリンのルネは、ECMから何枚もリリースしているデンマーク弦楽四重奏団のメンバーでもある! 彼は言う。

 「僕だけじゃなく全員クラシック音楽が大好き。その要素が意識せずとも自然に入ってきているのが、僕らのいいところなんだと思う」

 6月には前述した「クロノ・クロス」の新録がアナログ盤で発売すると共に、彼らの来日も予定されている。東京公演でゲスト出演する光田康典も「ここでしか聴けない、この時にしか聴けない、贅沢な音楽を是非その耳で体感していただければ」と彼らのライヴを激推し。北欧デンマークのフォーク(民族音楽)とクラシックが理想的な形で融合したドリーマーズ・サーカスを絶対に聴き逃がすな!

 


LIVE INFORMATION
ドリーマーズ・サーカス来日公演2022
2022年6月15(水)東京 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
開場/開演:18:15/19:00 ※SOLD OUT
開場/開演:15:00/15:30〈追加公演〉 ゲスト:光田康典(作曲家)

2022年6月17日(金)兵庫・西宮 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
開場/開演:18:30/19:00

2022年6月19日(日)埼玉 所沢市民文化センター ミューズ キューブホール
開場/開演:13:15/14:00 ※SOLD OUT

https://www.plankton.co.jp/dreamers/