8月5日に90歳となったフェドセーエフが、1994年から97年にかけてキャニオンクラシックスに残した交響曲音源をまとめた5枚組セットがリリース。ショスタコーヴィチがそのうち4枚分を占めており、他レーベルでも再録音を行っている曲も多いが、この時の録音は当時の環境も反映してか、重苦しく厳しい演奏となっているのが特徴で、中でも第7番における踏みしめるかのような演奏には心が打たれる。フェドセーエフ自身がレニングラード包囲を体験したことも影響していると思われるが、他の曲含め作曲家自身が体験した受難も全体的に感じさせる。録音も秀逸で演奏の細部が捉えられており、以前のビクター音源との違いも興味深い。