エレクトロクラッシュを思い出すたびに20年間ずっと〈80sブーム〉とか言ってる状況に何かを感じなくもないが、ムーヴメントの煌めきに消えていった面々を惜しむとして、レディトロンの名前をそこに含める必要はない。活動休止を経た再結集作『Ladytron』(2019年)ぶりに届いた7枚目のアルバムでも彼らは絶好調。シューゲイズやインダストリアルなどをダークなひと匙で攪拌したエレクトロ・ポップは野心的なビートで満たされている。