南米フォークロアやデジタル・クンビア系譜のエレクトロ等をカラフルに組み合わせたトラックとキュートなヴォーカルがポップに合わさった前作が面白いナタリア・ドコの久々な3作目は、完全独唱で幕を開けるという予想外の展開。ラテン・ビートもメロディも哀愁に満ちていてコール&レスポンスもなんだか切ない。歌声が可憐だからなおさらだ。派手な音使いはなく雨音さえ聞こえてくる。それが中盤にさしかかった頃からだんだんシャーマニックに響いてきて切実な祈りのようなものを感じたり。母国のアルゼンチンよりメキシコとかキューバとか、もしかすると現在拠点フランスのシャンソンのディープなとこと共鳴するのかもしれない。