ジョー・ザビヌルを敬愛し、音楽院で教鞭をとる傍ら母国オランダのジャズ・シーンでも活動するベーシストの初ソロ作。まぁとにかく西アフリカはマリをはじめとするマンデ系の音楽への精通っぷりが凄まじいな。マンデの伝統的な歌を中心に据えながら、歌手のカンク・クヤテやバラフォン奏者のバラ・クヤテ、カマレ・ンゴニ奏者のハルナ・サマケといったアフリカ屈指の名手たちと母国のジャズメンを見事にまとめあげ、双方のアプローチを並行させながらじわじわと溶け合わせていくこの作曲センスは最近聴いたものの中でも秀逸。すでに早耳リスナーから高い評価を得ているのも納得だ。