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弾き語りで届けた真摯な音色

そしてステージ上に設置されたのは、一台のキーボード。普段のライブでのダンスにかえて、今回は弾き語りに挑むという。演奏するのは、「7周年に欠かすことができない曲」という“Rainbow”。かつて、初めての作詞作曲にチャレンジした楽曲だ。

当時はトンネルのなかにいるような気がしていたという東山。いまトンネルを抜けたとはいいきれなくても、光が見えたり、ひとりじゃないかもと感じられたりする。そんな「7周年のいろんな心境をこめながら、皆さんにお披露目することができたらいいと思います」と話し、“Rainbow”はたっぷりの思いをこめて演奏された。

冒頭の歌詞のように、たしかに〈ここにいる〉東山が奏でる、真摯な音色。途中で若干のミスタッチがあり、演奏後には東山も苦笑いしながら「ああああ……!」と崩れ落ちはしたのだが、「どんなに間違えても歌が外れたとしても、100%東山から奏でられている音」を届けると覚悟を決めていたのだという。もちろんファンは、東山が普段からパーフェクトなパフォーマンスを目指し、かたちにしてきたことを知っている。そのすべてが虹のように、かけがえのない軌跡を描く。

ファンのリクエスト曲コーナーで観客を沸かせたのは、投票で3位になったという“ガラクタフルワールド”。そのエモーショナルさで支持を集める一曲だ。カバーリクエストのコーナーでは、東山が桐崎千棘役を務めた2014年放送のテレビアニメ「ニセコイ」第1期最終話のエンディングテーマ“想像ダイアリー”(原曲は桐崎千棘・小野寺小咲・鶫誠士郎・橘万里花名義)と、熱いリクエストが多数寄せられたというYOASOBI“アイドル”が歌われた。バラエティ豊かな楽曲がパーティーライブを彩る。

「さあ、ここからもたたみかけていきたいと思います! 東山の〈ハッピーセット〉、いきますよー!」という掛け声とともに、怒涛の終盤へ。咲き誇る未来を予感させるロックチューン“FLOWER”に、軽快に刻むギターやうねるベース、駆け出すドラムとキーボードが体を揺らす“ワゴン”。〈ANIMAX MUSIX 2023〉などでも歌われ、ソロのライブではようやくの初声出しとなった“グー”は、真っ赤なペンライトに染まるフロア、速いテンポでのコール&レスポンスと、まさにお祭り騒ぎとなった。

続くのは新曲“(前略)全人類へのファンファーレ!”。歌手活動7周年・前夜祭企画3ヶ月連続配信リリースの第3弾として2023年12月にリリースされたシングルだ。本来は異様に長いタイトルをもつがゆえに、タイトルコールはもはや愉快な寸劇に。連続配信リリースにあわせて開設された東山のTikTokアカウントでは、事前にコール&レスポンスの練習動画が投稿されていたが、ファンも予習はバッチリだったようだ。見事に「(おめで)たいをっ!」「(祝い)たいよっ!」といったやりとりが舞台と客席の間で交わされていた。

代表曲のひとつ“君の笑顔に恋してる”は、一緒に楽しむ定番の振付もあわせて、みんなでみんなを包み込む、そんな安心感を醸しだすようになっている。そして〈歌手・東山奈央として最初にレコーディングした楽曲〉だという“Chain the world”の、7年間の成長を物語る、壮大なロックサウンドを全身で満喫するように歌う東山の姿をもって、ライブ本編は終了した。

 

歌手としての次のステージへ

愛称である「なおぼう! なおぼう!」のアンコールに応え、ライブTシャツを着て再登場した東山が歌いだしたのは、リクエストで1位となった“群青インフィニティ”。「うぉーうぉー!」と煽るその身振り、ビートに合わせて跳ぶジャンプといった動きは、2024年に入ってから通っているジムの成果か、以前にも増した力強さを感じさせる。

「ここでお知らせがあります!」と東山が告げたのは、2024年5月に大阪・横浜でおこなわれる、自身初のアコースティック・ライブ〈NAO TOYAMA Billboard Live 2024 “p.rhythm”〉のお知らせ。歌手としてのネクストステージを予感させる発表に、喜びの声があがった。

そんなフロアに向け、「パーティーのラストナンバーになります! みんなで真夜中の怪獣になっちゃおー!」と演奏されたのは、先述の3ヶ月連続配信リリースの第2弾として2023年11月にリリースされた“真夜中の怪獣”。かぎ爪を〈がおがお〉するようなキュートな振付を、みんなでエンジョイした。

レインボードッグスと並んで、最後に客席へ挨拶。バンドメンバーのTシャツの背中に描かれた〈祝7周年〉の文字とともに、パーティーライブは大団円を迎えた。