ミニマル・ハウス的なトラックに驚かされる“キングスネークの憂鬱”を冒頭に据えた通算22作目は、プログレッシヴな展開の先行曲“Again”、R.E.M.風のカレッジ・ロックからジャズに接近する“禁断の実”、コクのあるファンクネスを湛えた“空也上人”などアプローチは実に多面的。歌詞には社会の空気をシビアに映しつつ、ブラス・ロック調の“Saturday”や勇猛な“Stupid hero”など多くの楽曲で管楽器を使っていることもあり、全体のムードは前向きで力強い。元気を出しにくい時代、音楽は何になりえるか。その可能性を信じ抜くことで生まれた、道標たる一枚。いざ光の射す方へ。