結成から27年、最後のツアーをもって解散することを発表して大きな話題となり、その合間となるこの3月には〈PUNKSPRING〉出演も果たしたばかりのサム41から、いよいよ集大成となるラスト・アルバム『Heaven :x: Hell』が届けられる。最後にもかかわらず……いや、最後だからなのか、野心的にやりたいことを詰め込んだ結果アルバムは2枚組に発展。Disc-1の〈Heaven〉には初期からの活動を想起させる荒々しくもエネルギッシュなポップ・パンクが10曲ブチ込まれ、対するDisc-2の〈Hell〉には激しいリフやソロを特徴とするメタル・チューンがこちらも10曲収録されている。
そもそものポップ・パンクから作品を重ねるごとに進化と成熟を繰り返し、やがてメタルの範疇にも踏み込んで両輪で創作意欲の燃やしてきた彼らの、表現を楽しみつくすパンクなスピリットと演奏力を高めることで追求してきたメタルの美意識、それらの両方をここにきて改めて証明する内容と言えそうだ。デリック・ウィブリーいわく「音楽を聴いた瞬間、〈これを最後にしたいレコードだ〉と自信を持てた」とのことで、まずは2枚を爆音で浴びることが去りゆく彼らへの礼儀となるだろう!