大塚恵がアルバム『Spontaneously』を2024年5月8日(水)にリリースする。
大塚恵は、兵庫・神戸生まれのベーシスト。北海道大学在学中にジャズと出会って演奏活動を始め、札幌のレジェンド福居良らと共演し、2012年以降は関西を中心に活動している。現在は大阪・谷町九丁目の名ジャズスポットSUBのレギュラーベーシストとしてセッションに励んでおり、関西各地のライブハウスで活躍中だ。
『Spontaneously』は、そんな大塚の1stアルバムで、彼女のバンド〈大塚恵パンゲア(Otsuka Megumi Pangaea)〉によって録音されている。パンゲアは、SUBの2代目オーナーである長谷川朗(テナーサックス/ソプラノサックス)のほか、加納新吾(ピアノ)、中村雄二郎(ドラムス)という大塚が信頼を寄せるメンバーからなるカルテットだ。
アルバムは、大塚自身の暮らしや自然に囲まれた日常からインスピレーションを受けて作曲した4つのオリジナル曲と他のメンバーによる曲、盟友・側島万友美のオリジナルを加えた8曲を収録。コンテンポラリーな曲調からどこか懐かしい曲まで、いずれもジャズスピリッツあふれるサウンドに仕上がっているそうだ。プレスリリースによると、〈谷町九丁目SUBで切磋琢磨し培われた本作の4人の音は、まるで目の前でライブを聴いているような臨場感が魅力的である〉とのこと。
Mikikiで〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉を連載中のジャズピアニスト/ライターの西山瞳からは、下記の推薦文が寄せられている。
大阪にSUBというジャズ喫茶がある。歴史の長いこの場所で沢山のミュージシャンが育ち、羽ばたいていった。そのSUBから、大塚恵のデビュー・アルバムが世界に向けて放たれる。このバンドの音色の寄り添いとアンサンブルを聴くと、お互いへの信頼がすぐにわかるだろう。各人が自立した個性として存在しながら、緊密にアンサンブルしていく。現代ジャズと紹介することは簡単だが、このリアルタイムで感じる心の深部の繋がりこそがジャズ・アンサンブルの悦びであり、デビュー作でこのアンサンブルの根本をしなやかに提示した彼女の志の高さに、同じミュージシャンとして敬意を表したい。この素晴らしい内容が関西発でリリースされることも、とても嬉しい。(2024年3月)
なお本作のCDは4月20日(土)に発売されるが、タワーレコードなどショップでの全国リリースは5月8日になる。
SUBを中心にした現在の関西ジャズシーンの息吹を感じられる『Spontaneously』、ぜひチェックしてほしい。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年5月8日(水)
品番:MM00200
価格:3,300円(税込)
TRACKLIST
1. 曖昧な藍 Aimai na Ai (Otsuka Megumi)
2. After (Otsuka Megumi)
3. Untitled (Kano Shingo)
4. Leaves (Otsuka Megumi)
5. Summer Delight (Sobajima Mayumi)
6. The forecaster (Hasegawa Ro)
7. ゆずり葉 Yuzuri Ha (Otsuka Megumi)
8. Lullaby for two (Nakamura Yujiro)
■メンバー
大塚恵 ベース/Otsuka Megumi: bass
長谷川朗 テナーサックス、ソプラノサックス/Hasegawa Ro: tenor sax, soprano sax
加納新吾 ピアノ/Kano Shingo: piano
中村雄二郎 ドラムス/Nakamura Yujiro: drums
2024年1月5日 奈良県大和郡山 N.M.G.スタジオにて録音
録音、ミックス、マスタリング:三輪卓也
LIVE INFORMATION
2024年4月25日(火)大阪・堂島 Jazz Club GALLON
開場/開演:18:30/19:30
2024年7月6日(土)滋賀・草津 Coltrane
開場/開演:19:00/19:30
2024年7月12日(金)京都・三条 le club jazz
開場/開演:19:00/19:30
2024年8月21日(水)愛知・名古屋 栄 jazz inn LOVELY
開場/開演:18:00/19:30
PROFILE: 大塚 恵
兵庫県神戸市生まれ。高校で弦楽部に入部しコントラバスを始める。北海道大学ジャズ研究会への入部を機にジャズに出会い、学生の頃から札幌在住ミュージシャンとの活動を始め、在学中からピアニスト福居良のレギュラーベーシスト、ブラジリアンギタリスト飛澤良一のバンドの初代ベーシストを務めたほか、日本を代表するベーシスト斎藤徹、井野信義、秋田祐二、瀬尾高志を中心としたコントラバスユニット〈漢たちの低弦〉の初演メンバーとして釧路公演に参加。一度は就職するも音楽家を目指して退職。2012年、関西を中心に活動を開始。大阪SUBの2代目オーナーでありサックス奏者の長谷川朗に出会い、SUBのレギュラーベーシストとして長谷川をはじめ国内外のミュージシャンとセッションを重ねる。クリスチャン・ジェイコブ、坂井紅介、福居良、林栄一、小山彰太等、数々のミュージシャンと共演。坂井紅介、荒玉哲郎に師事。現在も大阪SUBのレギュラーベーシストを務め、滋賀、京都、大阪、神戸のライブハウスを中心に全国で活動中。
litlink:https://lit.link/otsukamegumipangaea
PROFILE: 長谷川 朗
73年、京都生まれ。関西大学在学中よりベーシスト西山満に多くを教わり音楽活動を始める。99年より7年間ニューヨークで過ごす。2005年、リーダー作『イン・ディス・ケース』を発表。帰国後、数年間東京で活動し、2010年に大坂昌彦のアルバム『ファンキー7』にアルトサックス奏者として参加するとともに数曲のアレンジを担当。2011年、西山の逝去を受け大阪谷町九丁目のジャズクラブSUBの経営を引き継ぐ。2015年、アルトサックス奏者の側島万友美とともにジャズレーベル〈メザニンミュージック〉を立ち上げ、側島のデビューアルバム『エニシング・エルス』に参加するとともにアルバム制作を開始。2021年、ジャズイベント〈メザニンジャズウィーク〉を開催、内外のミュージシャン多数を関西に招聘する。翌2022年も同イベントを成功させ、本拠地SUBのみならず他のイベント等のプロデュースも手掛ける。創業54年、自身のオペレーションになり12周年を迎えた老舗クラブSUBを本拠地としながら全国的に活躍中。
オフィシャルサイト:https://www.subjazzcafe.com/ro-hasegawa-and-the-music
PROFILE: 加納新吾
86年、大阪生まれ。6歳よりクラシックピアノを始める。中学、高校でポップスやロックに興味を持つ。大阪芸術大学音楽学科ポピュラー音楽コースに入学後、近秀樹に出会いジャズに傾倒。在学中より演奏活動を開始。2009年、ジュリアード音楽院での短期留学プログラムに参加。2012年、ファーストアルバム『PRECIOUS』をJAZZ LAB.よりリリース。2013年、第5回神戸ネクストジャズコンペティションにてグランプリを受賞。2014年、フレンチ・クォーター・ジャズ・フェスティバルに出演(アメリカ・ニューオーリンズ)。2016年より渡米、ニューヨークで3年ほど活動。2021年、NHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のバンド演奏シーンに参加。2023年、NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」のバンド演奏シーンに参加。2024年、大阪芸術大学演奏学科特任講師に就任。
PROFILE: 中村雄二郎
東京都出身。16歳の時に高校の軽音楽部でドラムを始める。米ボストンの名門バークリー音楽大学へ入学。大学在学中にジャズと出会い夢中になる。ジョン・ハジラ、ジョー・ハント、ケンウッド・デナード、ジョン・ラムジー等、数多くの名プレイヤーを育て上げてきた巨匠たちに師事し、さらに校外でも当時ボストンのジャズシーンを率いていたジョン・ラムキンにグルーヴの大切さを学ぶなど精力的に腕を磨く。大学3年の時にジョン・ラムキンの後任としてボストンの若手ミュージシャンの登竜門と言われるウォーリーズ・カフェのハウスドラマーを任されるようになる。卒業後、活動拠点をニューヨークに移す。その後、地元ハーレムのミュージシャンたちにとって伝説的なクラブであるセイント・ニックズ・パブをはじめ著名な若手プレイヤーを多数輩出してきたクレオパトラズ・ニードル等、数々のクラブにてハウスドラマーを務め、ブロンクスの教会のチャーチドラマーとなるなどさらに活躍の場を広げる。また長谷川朗、百々徹、野沢美穂のバンドの日本ツアーに参加、ジェイ・トーマスやパトリック・ウルフの全米ツアーにも参加した。2016年に帰国、活動拠点を大阪として大西順子トリオへ参加、また大林武司トリオツアーに参加しブルーノート東京への出演を果たすなど全国的に活躍中。