それぞれの豊かな個性と多彩なカルチャーをミックスして表現されるカラフルでキュートでカオティックな世界! 6人が待望の新EPで描く新しい物語とは!?
昨年6月に『MEMETIC INFECTION』を発表して以降も、楽曲配信や精力的なライヴ活動によって存在感を拡散してきたミームトーキョー。今年3月にはZepp Shinjukuでワンマン〈世界〉を成功させて勢いに乗るなか、約1年ぶりの新作EP『MEMETIC WORLD』が完成。現在は単独ツアー〈物語〉で全国を巡るなか、6人が新たに提示する〈世界〉について、今回はSAEとNENEに話を訊いた。
私たちが歌うとミームの曲になる
――前EPからの1年を振り返っていかがですか?
SAE「“GAV RICH”のようなアンセム的な曲ができたし、Zepp Shinjukuのワンマンでは積み上げてきたものの集大成を見せられたので、個人的には右肩上がりの手応えを感じています」
NENE「ミームの楽曲は〈このクソ世の中が!〉という感じだったのが、この1年で〈何度だって愛して〉(“AGAIN AND AGAIN”)って歌うようになってハッピー・ユニットになったと思う(笑)。あとはライヴが強くなりましたね。互いに信頼しているからこその自由なステージングができるようになった。正直もっと現場に来てほしいし、もっと世の中に評価されたいです(笑)」
――そのような手応えのなかで新作EP『MEMETIC WORLD』が完成しました。
SAE「全曲違う作家さんが書いてくださっているので曲調はバラバラだけど、ミームらしい統一感があって、すべてがリード曲になりうる強い作品になりました」
NENE「みんな自分の声を理解して自分の良さを出せるようになって、その意味でも私たちのキャラクターがわかりやすくなったと思うし、ジャンル関係なくいろんな人に聴いてほしい一枚です」
――1曲目のTRFのカヴァー“Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~”も幅広い人に届けるための試みに感じました。
NENE「初めてのお客さんもコールしてくれます。おもしろいのは、歌詞もメロディーもそのままですけど、私たちの声が入るとちゃんとミームの曲になるんですよね。よくお客さんに〈この曲知ってたの?〉って言われるけど」
SAE「私たちは世代が違うもんね」
NENE「サビだけは知ってた。親はめっちゃ喜んでたので、親孝行できた気持ちです(笑)」
――続くリード曲の“CUTE TURN”は、“GAV RICH”と同じSTEAKAさんが制作した同路線のアッパーなトラックですね。
NENE「サビの〈罪 罪〉って繰り返すところもキャッチーだけど、SAEちゃんの〈Super luv〉のところがフックになってて好き。クールなのにセクシーヴォイスでブチ上がる感じ」
SAE「ありがとう(笑)。今回はSTEAKAさんがメンバー全員分の歌い方の指定表を作ってきてくれたんですよ」
NENE「みんな3~4行くらい書いてあったのに、私だけ〈前回同様〉っていう指示で(笑)」
――NENEさんのラップは“GAV RICH”でもインパクトがありましたからね。他のメンバーの個性についてはどうですか?
SAE「RITOさんは、やっぱり切り込み隊長ですね。最初に出ていってフロアをブチ上げる感じ。みつきち(MITSUKI)はちょっとダークだけどかわいい感じで」
NENE「そうそう、マジ小悪魔」
SAE「MEWちゃんは〈無機質、不穏、かわいい〉。実際、意識的にかわいい声で歌っていて」
NENE「本人はロックっぽく歌うこともできるのに、ちゃんと理解してかわいく歌ってるよね。ちゃんそり(SOLI)はドロップに入る前の歌パートを担当していて、抜け感のあるハイトーンがすごくいい」
――そして“AGAIN AND AGAIN”はレイヴ・ユニットの国士無双とchelmico提供のハイテンションなラップ曲です。
NENE「ライヴでの反応も良くて、私たちが〈地球は〉と歌ったらみんな〈でっけー!〉って返してくれます(笑)。サビとラップ部分のアンバランスな感じがchelmicoさんっぽくて、めっちゃ嬉しかった」
SAE「転調の仕方もすごいし、早口なラップも過去イチ難しくて。最初は〈歌えるの?〉と思ったけど、ライヴでたくさん歌って、いまでは私たちの新しい代表曲になりました」
メンバーそれぞれの世界観
――“fight/flight”はボカロPのOsanziさんによるバンギンなエレクトロ・ハウスで、SAEさんが作詞しています。
SAE「去年の3月頃にもふくさん(プロデューサーの福嶋麻衣子)から言われて挑戦しました。歌詞を書くにあたって与えられたテーマは、コロナ禍で感じたことも踏まえた〈感染〉で。楽曲がゲーム音楽っぽいので、そこからゾンビゲームを連想して、負の感情が連鎖して感染していくSNS社会で、ファンのみんなと一緒に戦って生き残りたい、というイメージで書きました」
NENE「この歌詞好き。私の歌割の〈僕の人生は僕のもの〉も大好きだし、〈神様は不平等に僕らを作るけど〉もマジそれって思った。曲名もいいよね。これは〈生きるか死ぬか〉ということなのかなって」
SAE「この曲名は、心理学用語で危機に瀕したときに自分自身に戦うか逃げるかを迫る〈闘争・逃走反応〉を英訳したもので。私は戦うのも逃げるのも正解だと思うけど、〈君と一緒に行きたい〉っていう意味を込めました」
――サクライケンタさん提供の“story, story”もアゲでヤバな一曲。
SAE「サクライさんが普段作られている楽曲とは全然違っていてびっくりしました。これも聴くほどクセになる曲。みんなで踊り狂ってほしい」
NENE「〈やば やば〉のところとか、ちょっと宗教みがあるもんね(笑)。私、SAEちゃんの〈聞いててよ〉のところが好き」
SAE「あれ、大変だった。セリフみたいな感じで何回も録り直して」
NENE「私もめっちゃ時間かかった。言葉を畳み掛けるところは地声と裏声を行き来しながら歌うように言われて、息が続かなくて。歌い方の引き出しを増やす勉強になりました」
――最後の“MEME THE WORLD”はNENEさん制作のトラックに、皆さんで詞曲を書いたミーム初の自己紹介ソングです。これは3月の〈世界〉公演で初披露されたものですね。
NENE「そのライヴに合わせて制作した曲で、最初はリリースする予定はなくて。RedBullの企画とかであるマイクリレーみたいなことをしたかったんですけど、どうせならメンバーそれぞれの世界観が伝わるものにしたくて、メンバーごとにトラックを作りました。SAEちゃんはピアノがたくさん入るボカロっぽい感じ、MEWちゃんはかわいいハイパーポップ、RITOさんもハイパーポップだけどかわいい感じではないもの。SOLIちゃんは爽やかな感じで、みつきちはかわいいヒップホップ。私はそのときCHICO CARLITOやWILYWNKAをよく聴いていたのでチルいヒップホップ。そのバラバラの楽曲を繋げて1曲にしたので、ミックスしてくれた人には頭が上がらないです(笑)」
SAE「NENEちゃんのパートになると、一気にフェスの夕暮れのいい時間帯みたいな情景が広がるんですよ」
NENE「ハートフルでピースフルな感じにしたくて。ちなみにこの曲はメンバーの加入順で歌う構成にしていて。まず最初からいる3人(RITO、MEW、SOLI)が1人ずつ歌って、3人でサビを歌って、そこから途中で加入したうちら3人(SAE、MITSUKI、NENE)がソロで歌って、最後は6人でサビを歌う。今回のツアーの〈物語〉にも掛けて、オープニングのキャラ紹介みたいなイメージです」
――まさにこれまでの物語と現在のミームらしさの詰まったEPになりましたが、ここからどのように感染を広げていきたいですか?
SAE「自分たちの中でも〈ミームトーキョーらしさ〉を模索し続けてきたのですが、今回のEPは改めて私たちの名刺代わりの作品になったと感じていて。フェスでも絶対に盛り上がる曲ばかりなので、大きいチャンスを掴めるようにがんばっていきたいです」
NENE「ロック系のイベントでもDJでも場を選ばずにできるのが自分たちの強みなので、どこに行っても〈いいじゃん!〉と思われるグループになりたいし、いろんなフィルターや固定観念をぶち壊していきたいです」
ミームトーキョーの近作を紹介。
左から、2023年のEP『MEMETIC INFECTION』、同年のアルバム『MEME TOKYO.』(共にMEME TOKYO/トイズファクトリー)
左から、trfの95年作『dAnce to positive』(avex trax)、STEAKAが参加した夢ノ結唱 POPYの2023年作『Infructescence』(ブシロードミュージック)、chelmicoの2022年作『gokigen』(ワーナー)、Osanziが参加したGUMIの編集盤『GUMIFUL!』(EXIT MUSIC PUBLISHING)
