透明感に溢れた歌声で音楽シーンに鮮烈な登場を果たした彼女もデビュー25周年……真っ直ぐに世界を見つめ、愛で地球を包み込むシンガーの魅力が詰まったニューEP!!
音楽を通して笑顔を繋ぎたい
今年12月8日にデビュー25周年を迎える倉木麻衣。アニヴァーサリー・イヤーを迎えた心境について、彼女は「早いもので倉木麻衣も〈25歳〉となりました。長年にわたり、歌をお届けさせていただき、関わってくださるすべてのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。デビューからいままでいろいろと新しいことにチャレンジして、一緒に成長していくことができました」と語る。そんな倉木の「これからも音楽を通して、笑顔を繋いでいけたらいいな」という想いを形にしたのが、このたびリリースされるニューEP『forever for YOU』だ。作品の根底に流れているのは、コロナ禍を経てさらに強くなった音楽とリスナーへの愛だという。
「前作『unconditional L♡VE』(2021年)は愛がテーマのアルバムでした。コロナが蔓延して大変だった時期での制作で、活動制限もあり、いろいろ自分を見つめ直す期間にもなって。ストレスや孤独を抱えてしまいやすい時期に音楽で少しでも癒しになれたらという気持ちを込めた作品でした。今回のEPも音楽で共に繋がっている〈あなた〉へ向けています」。
収録された6曲中“Secret, voice of my heart”“Unraveling Love ~少しの勇気~”“Y☺u&I”の3曲は「名探偵コナン」と「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」のタイアップ曲。〈倉木麻衣 ×「名探偵コナン」〉の結びつきの強さを改めて示した作品と言える。
「『名探偵コナン』を通して、みんなと繋がることができた。一緒に成長してきた大切な存在ですし、いまやファミリーですね。ストーリーに寄り添い、その世界の一部になれるよう、そしてフレッシュに楽しんでいただけるよう、今後も機会をもらえたときには、一生懸命、制作していきたいと思います」。
“Secret, voice of my heart”は、彼女にとって初めての「名探偵コナン」の楽曲となった“Secret of my heart”(2000年)を想起させる。
「“Secret of my heart”は長く愛していただける楽曲になりました。作曲家の大野愛果さんはじめ、制作に携わっていただいたみなさんに感謝ですね。当時の私は高校2年で、試験勉強に追われ、いっぱいいっぱいで。友達や先生に歌手になったことを伝えてしまったら、自分に対する目が変わってしまうんじゃないか……など、いろいろと不安があったんです。その頃の気持ちと、新一くんと蘭ちゃんの恋心を歌にした“Secret of my heart”は、私にとっても永遠のティーンエイジ・メモリーになっています」。
また“Thank you for every breath”は、脱炭素を推進するためのプロジェクト〈脱炭素エキデン365〉のテーマソング。以前から倉木は環境問題を訴えたり、震災からの復興支援などさまざまな社会貢献を行ったり、音楽活動を通したアクションを継続している。
「〈知って、気づいて、お役に立ちたい! なんとかしてあげたい〉という優しい気持ちから社会貢献されている方がたくさんいらっしゃいますよね。そうした方の気持ちに寄り添い、理解し合いながら、一緒に笑顔になれることを続けていくことで、自分自身も元気になれるし、みんながハッピーになれるんじゃないかな。お互いに愛が繋がる〈愛がとう〉の気持ちをもって、広げていけたら、世界がより良くなるんじゃないかと確信しているんです」。
私もあなたも地球も優しく
ここからは各収録曲を紹介していこう。“Secret, voice of my heart”は和の情緒を感じさせるミディアム・チューン。途中でパーカッシヴなリズムが加わり、サビで心地良い解放感が広がるなど、ドラマティックな展開も印象的だ。
「デモに感じた秋の季節と、伝えたくても伝えられない切ない心の声をテーマに制作していきました。歌い上げるというより、語るような歌唱を心掛けて」。
“Unraveling Love ~少しの勇気~”はしなやかなシンセ・ベース、4つ打ちのビート、儚さと凛とした強さを内包したメロディーが響き合うダンサブルな楽曲。
「畳み掛けていくサビのメロディーが印象的で、あまり歌詞に入れたことのないフレーズを入れてみました。制作中、ドキドキした心情をサウンドに取り入れたらおもしろいなというアイデアが浮かんで、心臓音が曲の中にまぎれています」。
“Y☺u&I”は海外の制作チームによる楽曲。透明感のあるシンセや緻密なビートメイクが楽しめるナンバーだ。
「ドライヴ・ソングを意識して〈feeling good〉なグルーヴを感じられる楽曲に仕上げています。〈困難な状況でも、大丈夫!〉と心を軽くできるポジティヴな言葉たちを歌詞にしてみました」。
“FOREVER HOME”は、〈自分の心の声に従えば、迷うことはない〉というメッセージを映した歌詞が心に残る。語りかけるようなヴォーカルも素晴らしい。
「初めて聴いたときに、メディテーションしているときのイメージが浮かんできました。自分の内側に還るような感覚で、言葉がスラスラと降りてきた歌ですね。安心できる場所って、実際の家だけじゃないと思うんです。自分の内側のホームに還ることで、どこにいてもありのままの愛の中にいることができる、というメッセージを込めています」。
“Thank you for every breath”は切ないピアノやストリングを軸にしたバラード。オーガニックな音像が、深みを増した歌声を引き立てている。
「無条件に私たちを愛してくれている地球に私たちも愛を返そうという歌です。未来に向けて子供たちにタスキを繋いでいけるよう、日常生活の中で当たり前のことに感謝して、私もあなたも地球も優しい気持ちで笑顔になれることを続けていきましょう」。
EPの最後を飾るのは、R&Bテイストの“Forever for you”。英語詞のフロウと大らかな歌が心地良く溶け合う。
「久しぶりの全篇英語詞ですが、ゆったりとしたサウンド、メロディーやグルーヴ、言葉の響きを楽しんでいただけたら。大好きなR&B調の楽曲で、自分自身もヒーリングしながら気持ち良くレコーディングさせていただきました」。
この夏には彼女自身の夢のひとつである水族館とのコラボレーションを東京・池袋のサンシャイン水族館で開催。さらに25周年ライヴも行われる。アニヴァーサリー・イヤーを通して、倉木麻衣の奥深い魅力にぜひ触れてほしい。
倉木麻衣――25年のキャリアを華やかに彩ってきた14枚のアルバムたち
マライア・キャリーやローリン・ヒルを聴いてシンガーに憧れたという倉木麻衣は、99年10月にMai-K名義でUSデビュー。同年12月、日本デビュー・シングル“Love, Day After Tomorrow”を発表し、2000年に初アルバム『delicious way』をリリースした。同アルバムは累計400万枚を超える大ヒットを記録。続く2001年の2作目『Perfect Crime』、2002年の3作目『FAIRY TALE』もミリオンセラーとなった。2012年の10作目『OVER THE RAINBOW』以降は、海外での活動が活発になり、2017年に5年半ぶりの11作目『Smile』を発表。初のコンセプト・アルバム『君 想ふ ~春夏秋冬~』(2018年)、デビュー20周年を記念した12作目『Let's GOAL! ~薔薇色の人生~』(2019年)を経て、2021年に13作目『unconditional L♡VE』をリリースした。環境問題や女性の地位向上といった社会的なトピックについても積極的にメッセージを発している彼女は、最近では〈脱炭素エキデン365〉のグリーンパートナーに就任し、テーマソングも担当。今年の冬には25周年を記念したライヴを東京・大阪で開催する。 *bounce編集部
倉木麻衣のアルバム。
上段左から、2000年作『delicious way』、2001年作『Perfect Crime』、2002年作『FAIRY TALE』、2003年作『If I Believe』、2005年作『FUSE OF LOVE』、2006年作『DIAMOND WAVE』(すべてGIZA studio)、2008年作『ONE LIFE』、2009年作『touch Me!』、2010年作『FUTURE KISS』、2012年作『OVER THE RAINBOW』、2017年作『Smile』、2018年作『君 想ふ ~春夏秋冬~』、2019年作『Let's GOAL! ~薔薇色の人生~』、2021年作『unconditional L♡VE』(すべてNORTHERN MUSIC)
