大好きな歌、音楽が今もそばにいてくれているということは本当に幸せです。

ミレニアム直前、『Love, Day After Tomorrow』で鮮烈なデビューを放ち、一気にスターダムを駆け上がった倉木麻衣が12/8に20周年を迎える。今年4月からスタートしたアニバーサリー・イヤーを飾る全20公演のライブでは、これまでのキャリアで培ってきた質の高いステージと変わらぬ煌めきを放ち、多くの観客を魅了、健在ぶりを示した。

そして、12/25には自身初のシングル・コレクションをリリースする。今作はオリコンシングルランキング連続TOP10入り作品数歴代1位を更新中の彼女が、これまでに発表してきた全63曲をCD4枚に収録した豪華盤。さらに注目は、海外の音楽シーンで活躍している敏腕エンジニア4名がそれぞれディスクごとにリマスタリングを施している点だ。20周年の集大成ともいえる今作について倉木に話を聞いた。

倉木麻衣 Mai Kuraki Single Collection ~Chance for you~ NORTHERN MUSIC(2019)

――この20年間を振り返って率直な感想をお願いします。

「どんなときも〈倉木麻衣〉を愛して支えて応援してきてくださったファンの皆さんや倉木麻衣に関わるすべての皆さんに心から感謝です!! 沢山の方々との出会いや、一つ一つ目の前にある大変なことも、諦めずに、素晴らしいチームとがんばってきたからこそ、今があると思います。大好きな歌、音楽が今もそばにいてくれているということは本当に幸せです。その道を20年間歩んできた倉木麻衣にも感謝です(笑)」

――初のシングル・コレクション全63曲の中で、レコーディングで特に印象深い作品は何でしょうか?

「全部です!!と言いたいところでは、あるのですが(笑)。デビュー曲の“Love, Day After Tomorrow”は特に、16歳でデビューすることが決まり、高校2年の夏休みに初海外のボストンでレコーディングをして出来上がった一曲でもあり、海外のフレーバーが入った倉木麻衣の〈原点〉となっています」

――全シングルの中で、作品性として転機になった曲は何ですか?

「選びきれないですね(笑)。楽曲のジャンル問わず幅を広げていけたのはロック色の強い『Stand Up』をリリースしたあたりから様々なジャンルの楽曲で制作していったように思います」

――リスナーにとってもそれぞれの思い出が甦ってくる事必至の作品になっていると思います。倉木さんご自身はいかがですか?

「どの曲も当時の思い出が甦ってくるのですが、同時に今も昔作った楽曲を歌わせていただいていますので、今の思いも、どの楽曲も入って、ライブで皆さんと一緒に歌った思い出や、イベント、テレビで歌った思い出もいっぱいです。特に、ボストンでレコーディングしたMai.K名義で全米デビューしたアルバム『Baby I Like』や、デビュー曲『Love, Day After Tomorrow』、そしてファースト・アルバム『delicious way』は学校の試験勉強と両立して暑い夏にがんばって制作していた時のことが鮮明に思い出されます」

――〈Rainbow Edition〉にはデビューからの全MVも収録されます。特に好きなMVは何ですか?

「“Secret of my heart”ですね。制服を着たまま学校帰りに衣装に着替えて、とっても緊張しながら、ここから歌手としてスタートしていくんだと期待に胸膨らませて広いステージで、ひとり、ラジカセを持ってマイクに向かってシンプルに撮影した時のことが今でも鮮明に思い出されます。当時の自分にもパワーをもらえるミュージックヴィデオになっています。この楽曲で倉木麻衣を知ってくださった海外からのファンの方も多い大切な一曲です」

――個性豊かなマスタリングを楽しめる作品にもなりましたね。

「リマスタリングすることによって、当時のサウンドの良さや雰囲気を失ってしまう楽曲もあると思うのですが、今回どの楽曲も当時の息遣いがリアルに伝わってきてサウンドもより鮮明に伝わってくるような〈今〉のサウンドになってパワーアップしてかっこいいので、是非!! 聴いていただきたいです!!!」

――アーティスト20歳を迎え、今後はどんなスタンスで音楽活動を続けていこうというお気持ちですか?

「マイペースに、そして、これからも色んなことを吸収して、新しいことにチャレンジしていけたらと思います。音楽を届ける形態もまた違った形で、 お届けしていけたらいいなぁと思います!!」

――最後に、アーティストになって良かったな~とつくづく思う事を1つあげてください!

「音楽を通して、微力ですが、誰かの〈力〉になることができていること」