コラム

Alice Nine 「Resolution-ALICE IN ASIA-」 Part.1

進化と脱皮を重ねて10年——輝きの彼方をめざす5人の今昔、そして未来とは

Alice Nine 「Resolution-ALICE IN ASIA-」 Part.1

※Alice Nineメンバー全員へのスペシャル・インタヴューはこちらから

 結成10周年——それぞれ別のバンドで活動していた5人のメンバーたちが2004年に〈アリス九號.〉の名の下に集まってから長い年月が経った。結成直後よりシーンで注目を集めていたバンドだけに、同年に限定リリースされたミニ・アルバム『祇園盛者の鐘が鳴る』からのディスコグラフィーも、歳月のぶんだけ膨大なタイトルを数えることになる。

 そんな勢いがコアなファンの範疇に止まらないものになったのは、振り返ってみれば2006年に発表した初めてのフル・アルバム『絶景色』の高い評価によるものだった。結成当初から貫いてきた和の世界観を軸に、ポップなメロディーセンスとツイン・ギターによる爽快なアレンジ力の高さをアピールした彼らはその時点で早くも一段階ステージを上げている。翌年の『Alpha』はオリコンのウィークリーチャートでも初めてTOP10入りを記録。洗練されたヴィジュアルの魅力はもちろんのこと、楽曲のクオリティの高さをもってリスナー層がぐっと拡大しはじめたのもこの頃からだろう。そして、活動5周年イヤーとなった2009年には、年頭からサード・アルバム『VANDALIZE』を投下。アートワークの変化からも顕著な意識の高まりは、90年代のオルタナ・サウンドからオーセンティックなメタルまで個々の志向を反映した楽曲たちと共に、彼ら自身にさらなる進化と脱皮を促すことになった。そして同年6月にはバンド名の表記を〈Alice Nine〉に改称。この大きな変化はそれ以降の海外展開を予見するものでもあって、結果的に単なる表記変更以上の意味を持つことになったのではないだろうか。

 前年からのツアーファイナルで日本武道館公演を実現させた2011年には、岡野ハジメをプロデューサーに迎え、傑作の誉れ高い4枚目のフル・アルバム『GEMINI』をリリース。その勢いのまま翌12年には『“9”』を発表し、精力的なツアーも相まってそのポジションを盤石のものとした。

 そして……今年だ。前作からおよそ2年ぶりとなるアルバム『Supernova』をリリースした後、4月から始まったツアー〈Alice Nine TOUR 2014「Supernova Symphonia〉では日本国内はもちろん、中国や台湾、シンガポールなどを巡る全14公演のアジア・ツアーを初めて敢行、大成功を収めることとなった。 

Alice Nine Resolution-ALICE IN ASIA- ユニバーサル(2014)

 そんなAlice Nineの名を刻む重要な一作としてこのたびタワレコ限定リリースされるのが、DVD2枚とCD1枚をセットにした「Resolution-ALICE IN ASIA-」だ。DVDのDisc-1にはアジア・ツアーの貴重なドキュメンタリー映像が収められ、Disc-2には同ツアーからシンガポール〈Resorts World Sentosa〉におけるライヴを収録。さらに、CDでは中国の人気バンドであるSUPER VCとのコラボ・チューンとなる“Tender”を聴くことができる。バンドとしてさらなる進化に挑むこのタイミングで、そのプロセスを克明に記録した作品が残されることの意味は大きいだろう。

 

▼Alice Nineの過去作を紹介
上から、2004年のミニ・アルバム『祇園盛者の鐘が鳴る』、2005年のミニ・アルバム『ALICE IN WONDEЯ LAND』『華想夢想紙』、2006年作『絶景色』、2007年作『Alpha』、2009年作『VANDALIZE』(すべてPS music)、2011年作『GEMINI』、2012年作『“9”』(共に徳間ジャパン)、2014年作『Supernova』(ユニバーサル)
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