昨年2023年に生誕100年&没後10年という節目であったサヴァリッシュのワーナー(旧EMI)録音のなかから、主にオペラを除いた管弦楽作品と声楽、そしてサヴァリッシュ自身がピアノ伴奏を務めた歌曲のアルバムを収録した65枚組BOXが発売された。最初に録音した1954年のドヴォルザークの交響曲第8番から、1997年のハンプソンとの“冬の旅”まで、旧EMIでは幅広い年代で録音を行っていたため変遷が良くわかる。同一曲の再録音も一部あり、ステレオ初期のフィルハーモニア管との“新世界”や他レーベルからも出ていたワーグナーの序曲・前奏曲集等は貴重で、あらためて職人芸的緻密さを感じた。