リッチ・ホーミー・クワンが死去した。

CNNによると、リッチ・ホーミー・クワンが一昨日9月5日、米ジョージア州アトランタ市内の病院で亡くなったことが同州のフルトン郡検視局によって発表されたという。検視官によると、6日に検視が予定されているそうで、死因は明らかにされていない。33歳だった。

リッチ・ホーミー・クワンことデクワンテス・デヴォンティ・ラマー(Dequantes Devontay Lamar)は1990年生まれ、アトランタで生まれ育ったラッパー。幼い頃は文学に興味を持ち、高校時代はバスケットボール選手として活躍。奨学金を得てフォートバレー州立大学に入学したが、学費が払えず退学してしまう。

その後、職を失って強盗の罪で逮捕されたものの、2011年に音楽活動を開始。2012年からミックステープを発表しはじめた。先輩グッチ・メインにフックアップされたのち、2013年に発表したシングル“Type Of Way”がヒット、同曲を収録したミックステープ『Still Goin’ In (Reloaded)』も高い評価を得た。

サザンヒップホップの新鋭として注目を集めるようになった2014年、クワンは新人ラッパーの登竜門であるXXLの恒例企画〈フレッシュマン・クラス〉に選ばれている。さらにキャッシュ・マネー傘下のコレクティブで、バードマンやヤング・サグなどを中心にしたリッチ・ギャングに加わり、ヤング・サグとの共演曲“Lifestyle”をヒットさせる。

2015年には、映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」のサウンドトラックに参加。さらにシングル“Flex (Ooh, Ooh, Ooh)”をリリースすると、同曲は当時の動画SNS・Vineで人気に火がつき、ヒットを記録した。

2018年には、リリースが延期されていた1stアルバム『Rich As In Spirit』をついに完成させ、モータウンから発表。同作が、クワンの唯一のアルバムになった。

トラップがメインストリームを席巻した2010年代前半から中盤にかけて台頭し、メロディアスに歌うようなラップと、少々しゃがれてやさぐれたようなユニークな声がトレードマークだったリッチ・ホーミー・クワン。トラップのビートで歌うようにラップするスタイルを世に広めた功績は大きく、日本のラッパーへの影響も多大だ。今は彼の魂の安寧を祈るばかりである。