セルフ・プロデュース、セルフ・ライティング、セルフ・パフォーマンスで活動し、〈女性は音楽をプロデュースしない〉という誤解に対して制作プロセスを紹介する動画が話題となったカリフォルニア生まれシンガポール育ちの才人。ジョン・コングルトンを迎えたこのヴァーヴでの初作は初めて人と共同制作したもの。ニューウェイヴ調のシンセ・ポップから幻想的な聖歌まで、浮遊しては融和を繰り返す歌とビートの流れ、気高い親しみやすさが絶妙に心地良く、ジョンが手掛けたセイント・ヴィンセントらを思わせたり、歌声にはクランベリーズを想起させる瞬間もあるが、誰と関わろうが才能の凄まじさは明白だ。