今更〈Dubとはなんぞや?〉みたいな硬い話はもう脇に置いておいて、若い人ならば本の後半から前半に向けて読み進めていけば自分なりの新しい音楽(ルーツ)の発見ができるだろうし、それぞれうまくまとめてある章ごとに詳しい人であっても、奇をてらった切り口では無いながらに渋めの、だが重要なアイテムもピックアップされていて発見がありそうだ。網羅性だけでない良心と懐の深さを感じる本になっている。レゲエの側から見ても、意外にこれまでピックアップされなかった地味だが超重要なアイテムがうまく散りばめられており、ポップス側からレゲエ側に来る人達にも安心して勧められるものになっている。
河村祐介「DUB入門ールーツからニューウェイヴ、テクノ、ベース・ミュージックへ」重要作の網羅だけでなく渋い選盤も 良心と懐の深さを感じる本
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