未来は不確かだけど、明日はいい日でありますように
――最後は表題曲でもある“aarre”。アルバムの核となる曲だと思いました。曲も、歌詞も、ボーカル表現の説得力もいい。
「できたときに、アルバムの最後を飾る曲になるだろうなという手応えがありました。初めは私が死んでしまう設定で、〈私がいなくてもあなたは未来を歩いていってください〉という歌詞だったんです。でもフィクションを歌って無理にドラマチックにするより、素直な思いを込めた歌にしたいと思い直して、〈未来は不確かだけど明日はいい日でありますように〉という願いを書くことにしたんです。
今の社会情勢がまさしく不確かなわけですけど、そんななかで〈頑張って生きましょう〉と言うのは私らしくない。しょうがないとは言わないけど、これが今なんだから、そういう毎日をどうにか生きていくしかないというか。落ち込んでいる人に〈頑張れ〉と言うのは逆効果じゃないですか。そりゃあみんな頑張りたいし、明るい未来であってほしいと思っているでしょうけど、実際そうなるかすらわからない現実を生きていて、でも明日はやってくる……。そういうなかで、〈きっといい日になるね〉って柔らかく言いたかったというか」
――人生の応援歌ではなく、現実を見据えた上で〈ライフ・ゴーズ・オン〉と言いたかったと。タイトルの“aarre”はどういう意味ですか?
「フィンランド語で〈宝物〉。続いてく毎日こそが宝物なんだって思って付けました」
――アルバムタイトルも、そういう意味を託して『Aarre』にした。
「それもありますけど、全曲作り終えたとき、1曲1曲が宝物のようだと思えたので。聴く人にとってもそうなったら嬉しいなという願いも込めています。あと、純粋にアーレという言葉の響きが可愛いから。フィンランド語の発音は可愛いから、フィンランド語のタイトルにしたいと前から思っていたんです」
――フィンランドがお好きなんですね。
「可愛いものが好きなんです。交換留学でフィンランドに行ったことがあるんですけど、街も家具も雑貨もすごく可愛くて、カラフルで。なんでこんなにカラフルなのかと聞いたら、日照時間が少なくて冬は鬱になりやすく自殺率が高まるからカラフルにしているんだそうです。そのマインドもいいなと思って」
――最後にこのアルバムをどんなふうに聴いてもらいたいですか?
「曲によってタイプが違うので、〈全曲を好きになってください〉とは言いませんけど、落ち込んでいるときに“浮かばれたいねサタデー”を聴いたら少しラクになるかもしれないし、“Konomama”を聴いて変わろうと思うかもしれない。それぞれのタイミングで聴いて、今日はこの曲がやけに響くな、なんて思ってもらえたら、それだけで嬉しいですね」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年10月2日(水)
品番:RYAL-1001
形態:CD/ストリーミング&ダウンロード
価格:2,750円(税込)
配信URL:https://lnk.to/dGUE2O
TRACKLIST
1. 水平線は穏やかにブルー
2. SHIKI
3. Konomama
4. 浮かばれたいねサタデー
5. SEA
6. レイリー
7. calm
8. ラフロア
9. aarre
PROFILE: Ryo Yoshinaga
シンガー/シンガーソングライター/コーラス。どこまでも響く伸びやかな歌声で影響を受けたソウル、R&B、AOR、アシッドジャズなどのテイストを取り入れたボーダレスな〈良質ポップス〉を歌う。さらに聴き手の想像を掻き立てる言葉を紡いでいる歌詞は物語の一説のようだと称される。またライブ活動のほか、シンガーとしてCM楽曲やイベントのテーマソングなども数多く歌唱。コーラスシンガーとしても活動し、様々な場所でその〈声〉を必要としてくれる人のために歌っている。デザインや雑貨好きが高じてフィンランドを訪れたことをきっかけにアルバムタイトルにフィンランド語をつけるなど無類の北欧・カフェ好き。
