ザ・ルーツのノンストップライブ、その演目を予想する
ザ・ルーツのジャパンツアーが2026年8月から9月にかけて開催される。前回の来日ライブは2024年末に東京にて一夜限りで行われたが、今回はZepp Namba (OSAKA)、Zepp Haneda (TOKYO)、ビルボードライブ東京の3会場を巡る予定だ。本稿では、ブラックミュージックの歴史そのものを体現していく彼らの来日ツアーに向けて、最近の公演などを参考にセットリストを予想していきたいと思う。
まずは、今回来日するメンバーを把握しておこう。ブラック・ソート(MC)とクエストラヴ(ドラムス/ミュージックディレクター)は不動として、カマール・グレイ(キーボード)、レイモンド・アングリー(キーボード)、“キャプテン”・カーク・ダグラス(ギター)、ストロ・エリオット(パーカッション)、デイヴ・ガイ(トランペット)、マイケル・バックリー(サックス)、トゥーバ・グッディングJr.(スーザフォン)と基本は前回の来日時と変わりないが、今回マーク・ケリーに代わりサディアス・トリベット(ベース)が帯同する。サディアスはゴスペルシンガーのタイ・トリベットを兄に持ち、これまでア・トライブ・コールド・クエストやジャスティン・ティンバーレイクらの作品でその腕前を披露してきたベテランだ。彼が加わったザ・ルーツのパフォーマンスを体験する意味でも、今回のライブに足を運ぶ価値は大いにあるだろう。
では、気になるセットリストについて。彼らのライブは基本曲間がほぼなく、いわゆるメドレーのように数珠繋ぎで楽曲が披露されていく。フェスやイベントなどを除いた直近の単独公演では、すっかりお馴染みとなった“Respond/React“で景気よくライブの幕が開けていく。音源ではブラック・ソートと2020年に亡くなった創設メンバーのマイク・Bが90年代当時の商業主義なラッパーたちに向けて放った痛烈なメッセージを放ってみせた。その言葉は、己を見失いがちな2020年代にも深く胸に刺さるものだ。
そこからジャジーでタイトな“Section”、ストリートの香りが強く残る“Proceed”など、3rd『Illadelph Halflife』(1996年)や2nd『Do You Want More?!!!??!』(1995年)といった初期のアルバム群の流れを汲むパターンが多い。
加えて4th『Things Fall Apart』(1999年)には“The Next Movement”“You Got Me”といったヒットシングルや、J・ディラのビートを味わえる“Dynamite!”(ライブだとヨレ感は控えめ)などが並び、これらもライブのレパートリーとしてよく取り上げられている。特に各パートのソロなども挟み込まれる“You Got Me”で迎えるライブの大団円は格別だ。こうした楽曲群がオリジナルアルバムから取り出され、ライブ全体を構成する重要なピースとなっていく。