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仮想敵を作るのではなく、多様な文化を尊敬できるようなった

――『インドア』をリリースした時期には、最先端をいく世界の音楽シーンに日本がついていけていないことに歯がゆさを感じていたかと思います。あれから約5年が経ち、現在の日本の音楽シーンは今鳴らすべき音楽を鳴らすようになったと思いますか。

「どうですかね。よりカオティックなものが、〈Gacha Pop〉とかの流れで世界に受容されているところはありますよね。グローバルの流行に沿った楽曲が増えているという印象はないんですが、ガラパゴスも極めていけばひとつのカルチャーとして世界に受容されていくということを今、目の当たりにしているので。

そこに対する敵意や〈俺らのほうがかっこいいやろ〉っていう感覚は、『インドア』を作ったときの自分と比べると薄まった気がします。あの頃は〈なんでこんなに面白い音楽が世界的に広がってるのに、みんな同じようなことをしてんねんやろ〉って、本気で不思議に思ってましたからね(笑)。今は〈いろいろあって、いろいろいいよね〉みたいな気持ちです」

――何かきっかけがあったんですか。

「単純に大人になったんでしょうね(笑)。いろんなカルチャーを普通に尊敬できるようになりました。若い頃って、仮想敵を作ってエネルギッシュに頑張るみたいなことってあるじゃないですか。今はそういうエネルギーの作りかたではないかな」

 

大きな問題の前にまず生活や日常を考えたい

――では、今のモチベーションはなんでしょうか。

「近くにいる人や来てくれるお客さんと、いい空間でいい時間を過ごすこと。それが少しずつでも広がっていったら、もっと楽しいだろうなって。

以前よりも実際的な物事に、自分の意識が向いているのが、『インドア』の頃と比べて違うところですかね。もっと現実的なところに、今は自分の意識があるような気がしています。あの頃は、日本の音楽や社会についてすごく考えていて、ウォークな感じでした」

――それこそ、かつてはブラック・ライブズ・マターなどの社会問題にも問題意識を持ち、想っていることを歌詞に落としこんでいた節もあったかと思うのですが、今もそういうことをしていくべきだと感じていますか。

「もっと実際的に切迫している感覚が強いかもしれないですね。もちろん大きな問題が山積みで、大変なことはありつつも、それに対してリアルに切迫感を持てない。そんな余裕なくないですか?」

――正直なところ、ないですね。

「〈どうやったら大きな問題に立ち向かえる自分になれるか〉っていうほうが、今の自分は問題意識を持っているかもしれないですね。戦争や人種差別、環境問題がどうのこうのではなく、〈明日仕事に行きたないねん〉みたいな。今日がきついというか。長期的なことを考えられる人のほうが稀だと思うんですよね。

『インドア』を作っていたのは学生時代だったので、当時はわからなかったけど、今では社会的にかなり守られていたと思うし。28歳になって、より現実的な大変さみたいなものが身に染みて感じているところはあります」

――大きなものに立ち向かう前に、まずは自分ごとだと。

「そうですね。注意散漫になっちゃったり、〈なんか忙しいな〉〈なんかお金ないな〉って感じたりするところを、解きほぐすような音楽を作りたいという思いが今はあるかもしれないですね。生活感や日常的なところに、視線が向いているんだと思います。

『インドア』の頃は、もっとセカイ系でしたね。それは、それでかっこいいし、今でも大好きな作品ですけど。あんまり上手い例えじゃないのかもしれないですけど、『新世紀エヴァンゲリオン』も好きやし、『おじゃる丸』も好きみたいな。そういう変貌は、あるかもしれないですね」

――YAJICO GIRLは「新世紀エヴァンゲリオン」から「おじゃる丸」になっていったんですね。

「自分で言っておいてなんですけど、ちょっと違うかも(笑)」

――学生時代は守られている環境にいたからこそ、大きな問題に立ち向かえていたが、大人になり視野が広くなったことで、明日を超えることを見つめるようになって、ひとりひとりを救うような『EUPHORIA』にたどり着いたと。

「いい感じに流れを作っていただいて(笑)」

――生まれるべくして、『EUPHORIA』が生まれた感じがしますよね。四方さんは、後から振り返って〈この時は何を考えていたか、わからない〉みたいなのがなさそうというか。

「そういうことにしておきましょう(笑)。でも、実際は後から考えることも多いですよ。無意識化で出来上がったものを、後から〈どういうことを考えたから、これが生まれたんだろう〉と考えて、落としどころを見つけることも、もちろんあります。それこそ、今作で〈自分が我を忘れる感覚を求めてたんだな〉っていうのは、『EUPHORIA』が完成してから気づいたので」

 


RELEASE INFORMATION

YAJICO GIRL 『EUPHORIA』 MASH A&R(2024)

リリース日:2024年11月20日(水)
配信リンク:https://YAJICOGIRL.lnk.to/EUPHORIA
※CDは会場/ヤジコ屋オンラインにて販売中
ヤジコ屋オンライン:https://store.plusmember.jp/shop/products/list.php?category_id=3346

TRACKLIST
1. 1234
2. Ebi Fry
3. ユーフォリア
4. sour
5. MissU
6. APART
7. 平凡
8. 2024

Music (M1~M7), Lyrics: Ryuto Shikata
Music (M8): Kazuki Yoshimi
Arranged by YAJICO GIRL / YAJICO GIRL, Teje (M5)
Mixed by Ayaka Toki (BLOCKPARTY) / MEG (MUSIC FOR MUSIC / M6)
Mastered by Tsubasa Yamazaki (Flugel Mastering)
MEG (MUSIC FOR MUSIC / M6)
Jacket Design: Shun Furutani (YAJICO GIRL)

 

LIVE INFORMATION
YAJI YAJI SHIYOUZE 2025

2025年2月21日(金)大阪・梅田 Shangri-La
開場/開演:19:30/20:00

2025年3月7日(金)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
開場/開演:19:30/20:00

■チケット(スタンディング)
FC先行割:3,500円
一般:4,000円
学割:2,800円
※学割チケットは入場時学生証提示
(ドリンク代別途必要)

■オフィシャル最速先行
2024年12月4日(水)12:00~2024年12月17日(火)23:59
http://eplus.jp/yajicogirl/

■オフィシャルファンクラブ
YAJICO GIRL OFFICIAL FANCLUB〈ニュータウン〉
https://www.yajicogirl.com/

 


PROFILE: YAJICO GIRL
吉見和起(ギター)、榎本陸(ギター)、四方颯人(ボーカル)、武志綜真(ベース)、古谷駿(ドラムス)の5人編成で自身の活動スタンスを〈Indoor Newtown Collective〉と表現する。2016年、〈未確認フェスティバル〉〈MASH FIGHT〉など様々なオーデションでグランプリを受賞。音源制作・アートワーク・ミュージックビデオの撮影から編集、その他ほとんどのクリエイティブをセルフプロデュースしている。2020年より活動拠点を地元・大阪から東京に移し、活動の幅を勢力的に拡げている。
オフィシャルサイト:https://www.yajicogirl.com/
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