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オーガナイザーchoriが作っていた熱い空間

小島「オーガナイザーやプロデューサーとしてのchoriって魅力に富んでいたと思うのですが、みなさんにはどう見えていました?」

望月「自分が参加したのはVOXhallのイベントです。そこで友人とアインシュタインの話をしていて、詩的な表現ですが、その時に立っていたchoriさんの姿は彫刻に見えました。照明が当たって光と影が刻まれたような姿が彫刻に見えて、その視覚的な印象をよく覚えています」

文月「私は活字ベースで活動しているので、同じ詩の朗読イベントに出ていても、リーディングの方々とはどうしても価値観や見ているものが別になる。でもchoriさんに誘われて2015年にポエトリー・ナイトフライトに出た時、その壁が一瞬取り払われたように感じたんです。椅子を円形に並べて、その真ん中でそれぞれ朗読したり、それを聴いたり、遠方から朗読するためにいらっしゃった方もいたり、すごく熱い空間でした。

自分は16歳でデビューしたから周りがみんな年上で、親世代の方が多かったので、choriさんは歳が近くて話しやすかったのもあります。choriさんは出演者からも親しまれていて、あの頃から詩を中心としたイベント運営などで食べていこうという意識が強かったと思います」

小島「なるほど。なぜこの質問をしたかというと、choriと活動を共にしていた方でもブッカーとしての彼を評価しない人が多いんです。〈もっと詩を書け〉〈パフォーマンスに集中しろ〉〈何を表現から逃げているんだ〉という見方なんです。彼はそういう他人の意見を気にするタイプで、自分ではブッカーやオーガナイザーを天職の一つと捉えているのに、それを否定される苦しみを感じていましたね。

僕は、出会った頃からブッキングマネージャーのchoriと詩人のchoriをうまく両立させていたので、それをもっと高い次元で融合させられれば、出てくる表現も温かくて柔らかいものになったんじゃないかと思っていました。でも、やっぱり彼には芯みたいなものがなかったんですよね」

文月「choriさんほど志が高い人は近くにいたのでしょうか? 私は、それがいちばん心配でした。最後にイベントでご一緒した時(2022年9月)、choriさんが以前のパワーを失って、イベントに吸収されているように感じて。なので鼓舞しなきゃと思って、〈choriさんの新しい詩集を読みたいです! 詩集を出しましょうよ!〉という話をしました」

小島「そういえば彼、文月さんからそう言われたと、すごく喜んでいましたね。仰る通り、同じ目線で走れる同志や切磋琢磨できるライバルはいなかったと思います」

望月「初期のchoriさんは久谷雉さんを仮想ライバルにしていた感じがありましたよ(笑)。久谷さんが若い頃に谷川俊太郎さんと対談されていて、〈自分も対談したい〉と言っていましたし」

小島「文月さんのことも書き手として意識していました。最果タヒさんも詩人としてきちんと評価されているから、〈負けへんようにやらなあかん〉とやたら悔しがっていました。彼は心の底から詩人が好きで、詩人への愛に溢れていたんです」

文月「choriさんのイベントはchoriさんが開いたchoriさんの場であるために、彼より年上の人があまり来ていなかった印象です」

小島「仰る通りです」

文月「〈今日、初めて朗読します〉というような初々しい方は来るのですが、choriさんと競争できる上の世代や実績がある人は来ていなかった。そういう人を積極的に入れるべきだったかもしれません」

望月「作品の質も変わったかもしれないですね」

小島「僕は、吉増剛造さんとchoriは絡むべきだと思っていました。バトンをきちんと受けとっておくべきだと」

文月「朗読の名手である広瀬大志さんとかも呼んだらよかったかもしれませんね」

小島「伊藤比呂美さんとかね。要するにイベントは異世代の架け橋にならないといけないのに、choriは自分で止めてしまっていた。辛辣な言い方をすると、自己満足のイベントになってしまっていた面があって」