choriのベストアルバム『ちょりびゅーと』が2024年11月20日(水)にリリースされる。

詩人choriの生誕40年および活動開始から25周年を記念して、2006~2016年に発表された11作におよぶCDアルバムとシングルから自ら選曲した初のベストアルバム『ちょりびゅーと』が、CDおよび配信で発表される。リマスタリングされた17編は、彼が生きた京都の細道のように繊細で儚くやさしく続くポエトリーリーディング作品だという。

以下、プレスリリースから転記する。

「詩人」そして「ポエトリーリーディング」。マイク一本、唯一無二のスタイルで、クリープハイプとのツーマンや中村佳穂とのバンド結成、狂言師・茂山童司(現 三世千之丞)とのヨーロッパ公演など、長い旅路を続けてきたchori。プロフィールにあるとおり、その数奇な人生は、彼の詩作のほとんどの場面では顔を出さず、あくまでも市井のただの「詩人chori」として地図はつくられていく。日常のふとした些細な出来事も彼が詠めば、せつなく温かい“ものがたり”となり、暗闇と隣り合わせの今にも消え入りそうな、かぼそい光が、このベスト・アルバムには詰め込まれている。

始まりの時を告げる「The Park Is Mine」。繊細な旋律に乗せて力強く叫ぶ「アートアンドマインド」。軽やかなビートとともに明日へと誘ってくれそうな「季節」。もう逢うことの叶わない愛する友に優しく語りかける「呼び声」。自身の無力さを引き摺りながら、進むべき道への固い決意を記した「しけるいかばね」など全17編。

choriのコメントは次のとおり。

お待たせ。ポエトリーシーン。僕らは今からここで数えきれな程の闇をみるだろう。そして、説明できないくらいの光をみるだろう。あの時代の僕ら、それから、すべての平成少年少女に捧げます。―chori

また『ちょりびゅーと』のトレーラー動画がYouTubeで公開された。

アルバムの情報が解禁されたあと、choriが亡くなっていたことが、彼のXアカウントでパートナーはったみさとによって発表された。

choriは、肺炎による急性心不全で8月20日に死去。通夜と告別式は家族葬ですでにおこなわれており、偲ぶ会が後日開催される。なお本作は、予定どおりリリースされるとのことだ。

choriは1984年、茶道裏千家十六代家元千宗室の長男として生まれた。15歳で家出し、1999年、中学生時代に詩人としての活動を開始。テレビ番組への出演や小説の執筆、ワークショップや講演の開催、中村佳穂らとの旅のおわりの音楽や浮かむ瀬といったバンドでの活動、京都・ニ条のライブハウスnanoのブッキングなど、多彩な活動を繰り広げてきた。

初のベストアルバムにして遺作になってしまった『ちょりびゅーと』だが、本作で彼が遺した言葉と声に耳を傾けたい。

 


RELEASE INFORMATION

chori 『ちょりびゅーと』 石上栽花(2024)

リリース日:2024年11月20日(水)
品番:SJSK1
仕様:CD
価格:3,300円(税込)

TRACKLIST
1. The Park Is Mine
2. すべて光
3. 730
4. アートアンドマインド
5. たべもの
6. 季節
7. 聴きたくないような歌だけがやさしい
8. 手紙
9. タラチネ
10. ふらちですか?
11. なとつみ
12. 呼び声
13. バイバイバイ
14. ぼくたちはなんだかすべて忘れてしまうね
15. しけるいかばね
16. ベイビーグッドラック
17. きみにあげたいものはないけど、今、うたいたい歌があるよ

編集・マスタリング:George Mori

 


PROFILE: chori

詩人。1984年、茶道裏千家十六代家元千宗室の長男に生まれる。母は三笠宮崇仁親王次女である容子。大正天皇は母方の曾祖父。その関係から産まれた時に〈運命の子〉と騒がれるも、15歳で家出。そのまま裏千家史上初となる長男でありながら家督を継がないという未曽有の決断を下す(現在は分家という形で菊地姓を名乗る)。中学生時代の1999年から詩人として活動を開始し、第1回詩学最優秀新人賞をはじめ大小多数の賞を獲得。バラエティ番組のレギュラー出演やNHK等のドキュメンタリー番組で取り上げられる。文芸誌「すばる」上での短編小説執筆や全国紙等での執筆、教育機関でのワークショップや講演も積極的におこなう。主な著書に詩集「chori」(青幻舎・2006年)、「にしむくさむらい―詩人choriの京都十二ヶ月―」(武田ランダムハウスジャパン・2011年)など。また、狂言師・茂山童司(現・三世千之丞)とのユニットによるヨーロッパ公演の開催や大河ドラマ「平清盛」への出演などジャンルにとらわれない活動を続ける。

■chori ディスコグラフィ
Redemption Songs(2006年4月 アルバム)
維新(2007年2月 シングル)
帰り道のはて(2007年12月 アルバム)
地図を作る(2009年6月 アルバム)
夏の前日(2011年5月 シングル)
短篇集(2012年2月 シングル)
祝福のおわった夜に(2013年 アルバム)
鈴木さん/僕たちはなんだかすべて忘れてしまうね(2013年8月 シングル)
ヒーローの愛し方(2014年2月 EP)
ししょうせつ(2016年 アルバム)
なとつみ(2016年 アルバム)