ジャングルをドロドロに解体した前作も話題だったパンの怪人の4作目。90~00年代目線なら〈異形アンビエント・テクノ!〉とか煽って片付けていいかもしれないが、ここ最近のシンセ~ドローン、ベース音楽の発展やロウ・ハウス~インダストリアル・リヴァイヴァルの交差点として見れば、アントールドが一つの異様な音塊を生成したのに対し、精巧に濾過して抽出した純度高めな音を鮮やかな座標で配置しているのが特徴的。冷淡なハンマー・ビートの迫る“Rude Boy”を冒頭の見せ場にしつつ、分離と統合を繰り返す妖艶なアンビエンスが脳内に充満していく快楽に耽ってる間に4/4とハーフを往来するグルーヴが足腰を絡め取っていく様はホントに最the高。UKテクノの本領が前を向くとこう進みます的な快作です。