90年代オルタナ愛好家を悶絶させた2022年のデビュー作『Versions Of Modern Performance』に続くシカゴ発3人組の2作目は、ケイト・ル・ボンをプロデュースに迎え、いくぶんか落ち着いた印象の一枚に。ドローン的な音を取り入れたアヴァン・ポップ“Julie”、ジャングリー・ギターを搔き鳴らす“Switch Over”などリード曲を筆頭に、ファズやディストーションを抑えたサウンドが、ローファイで可愛らしくも胸の痛みをストレートに映した楽曲の良さを浮き彫りにしている。レインコーツやライフ・ウィズアウト・ビルディングスに比肩する、宝石箱に入れておきたいポスト・パンクの傑作だ。