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衝突を乗り越えた今、見つめる未来

──今作の歌詞は未来へと向かっていくような言葉が目立つというか、“ペーパー・ムーン”のMVのように、夢を追いかけて前に進んでいくポジティブな意思を感じました。

miho「確かに、外を向いてるかもしれませんね」

──何かきっかけがあったのでしょうか?

kyai「うーん、大喧嘩したとか?」

miho「まぁそうだね。活動初期は自分たちだけで完結していたことが、ありがたいことに沢山の外部の方のお世話になって、色々やり取りしないと活動が回らなくなり始めた過渡期があったんですよ。それが『ロマンと水色の街』から今作の間の期間で、とにかくしんどかったんですね。細かな打ち合わせだったり、制作やライブに関する仕事が増えてきて、それで衝突してしまったんです。

ただ、おかげでバンドの未来についてより考えられるようになったというか、自分たちの活動規模の広がりを想像できるようになったので、結果的には前を見られるようになりました」

hiroya「歌詞の文字を見ているだけでも、物語を感じるというか、どれも違うストーリーがあって心情も伝わってくる。今作は特にそう感じるような曲が多かったですね」

 

色彩を変化させていく自由さと開放感

──バンドの近い将来ですと、来年の1月まで続くアルバムのリリースツアーが始まります。今回は福岡や山口など、東名阪以外の都市もくまなく回るんですね。

miho「今回は〈来てください〉って言ってくれてる人が多かった場所を回る予定なんですよ。SNSでリスナーさんの投稿をよく見ているので、例えば〈新潟来てください!〉って言ってくれてる人がいれば新潟のライブハウスを探したり、福岡在住のリスナーさんがよく言及してくれていたら福岡に行きます。

私の実家が田舎で、好きなアーティストが全然来てくれないエリアだったので、その分来てくれたらどれだけ嬉しいかっていう気持ちがわかるので、なるべく行ける時に行きたいんです」

──ツアーのファイナルは新宿LOFTで初のワンマンライブとなります。バンドとしては、これも一つの夢だったんじゃないかと。

miho「自分たちの近くのシーンで、新宿LOFTでワンマンとかできるバンドがあまりいないので、それなら最初にやろうかと」

──なるほど。例えば周囲のバンドを巻き込んで何かをやりたい願望はあるんですか?

miho「どうだろ……やりたいよね?」

kyai「うん。シーンとしてあんまり横の繋がりがないというか、個人プレイっていう印象なんです。音楽が好きな人がいるんだけど、それがまだ外にはあまり向いていないような気がしています」

su「定期的に〈Saturdays = Youth〉っていう自主企画はやっていて、例えば去年の8月に好きなバンドを集めて西永福JAMでやったんですけど、そういったイベントも続けられたらなと。今回のツアーでも出張版として福岡、大阪、仙台で開催する予定です」

miho「ちょっとジャンルが変わったら関わりがなくなっちゃったりするので、そこを打破したいんです。サーキットフェスとかとも縁の少ないシーンだからこそ、自分たちで率先してやるというか。去年は〈下北沢にて〉に出演できたのが大きかったし、今後自分たちでも企画してみたいです」

gouko「自分たちがシューゲイズを名乗っていなくても、〈こいつらシューゲイズだから、まぁいいか〉みたいに思われていたりするんですかね」

su「うん、なんか壁を作られているというか」

miho「シューゲイズってジャンル名なだけで、なんか壁を作られちゃうよね」

gouko「こっちが音の壁を作ってるからね」

miho「確かに(笑)。なんかそういうとこあるよね。だからこそ自分たちではシューゲイズっていうのを名乗らずに、その時々で自分たちの色が移り変わっていけば良いなと思います」

 


RELEASE INFORMATION

Moon In June 『色彩を持たないで』 DREAMWAVES(2022)

リリース日:2025年4月23日(水)
品番:DW017
フォーマット:CD
価格:2,750円(税込)
配信リンク:https://big-up.style/1kTTfVlc3W

TRACKLIST
1. Dance, Dance, Dance
2. エンドロールが終わっても
3. 踊る魔物
4. The Sky Crawlers
5. Zero Gravity Journey
6. 色彩を持たないで
7. Echo Sound Syndrome
8. Warm British Winter Song
9. 帰れない山
10. Play!
11. Asleep
12. ペーパー・ムーン

 

LIVE INFORMATION
色彩を持たないツアー
Saturdays = Youth Vol. 4 〜Moon In June 2nd Full Album リリースツアー福岡編〜

2025年5月3日(土)福岡・Live House 秘密
共演:Happypills/NYAI/sayonarablue

Pop Music vol. 10
2025年5月4日(日)山口・周南 rise
共演:Belinda May/kinoue64/Moethein/fedress/水波月奈巳

Saturdays = Youth Vol. 5 〜Moon In June 2nd Full Album リリースツアー東京編〜
2025年5月10日(土)東京・新代田 FEVER
共演:advantage lucy/Clematis

Saturdays = Youth Vol. 6 〜Moon In June 2nd Full Album リリースツアー大阪編〜
2025年5月18日(日) 大阪・南堀江 SOCORE FACTORY
共演:WolfSurfPurpleSky/Transit My Youth/Subway Daydream

2025年6月29日(日)東京・高円寺 HIGH

DREAMWAVES Vol. 30 Moon In June & tip top nap Release Party
2025年7月21日(月・祝)愛知・名古屋 鶴舞 DAYTRIP
共演:tip top nap/溶けない名前 and more...

Saturdays = Youth Vol. 7 〜Moon In June 2nd Full Album リリースツアー仙台編〜
2025年9月20日(土)宮城・仙台 Flying Son
共演:汽水船/なるぎれ/ティーンズ

Moon In June 1st Solo Concert
「モノクロ/カラー」
〜色彩を持たないツアーファイナル〜

2026年1月12日(月・祝)東京・新宿 LOFT
開場/開演:17:00/18:00
前売/当日:3,500円(+1D)/4,000円(+1D)
e+:https://eplus.jp/sf/detail/4295650001

 


PROFILE: Moon In June
2018年に東京で結成。2020年に1st EP『海鳴り』を発表。2022年、メンバーチェンジを経た新体制での2nd EP『evergreen』を発表。2023年10月、1stフルアルバム『ロマンと水色の街』を発表。2025年4月、2ndフルアルバム『色彩を持たないで』を発表。都内を中心に精力的に活動中。
オフィシャルサイト:https://moon-in-june-2.jimdosite.com/
lit.link:https://lit.link/mooninjune
Instagram:https://www.instagram.com/moon_in_june.band/
X(旧Twitter):https://x.com/mooninjunetyo
YouTube:https://youtube.com/@mooninjune3431