
メモから生み出す創作術
――今回のアルバムの中で、北山さんとして一番トライしたと思う曲はどれですか?
「“OMG!!!”ですかね。これまでやってきたラップとはちょっと違って、ひたすらテンポが速いので大変でした」
――イントロの携帯のバイブ音から面白い曲だと思いました。
「アルバム全体の方向性はロック色が強いものにしようと決めていて、それが縦軸として7~8曲くらいありました。でも、自分のロックテイストの遺伝子とは違うところからこのアルバムに入ってくれる人もいるかもしれないので、違う方向性の曲を入れて余白を作るようにしたんです。その余白の中の1曲が“OMG!!!”ですね。携帯のバイブ音から始まるのが面白いなと思っていたら、すごく遊び心がある曲になっていきました。
作詞する際は、僕の携帯のメモに書いてあった〈いつものメンツ集まったら仕事ができないよ〉というフレーズを見て、〈これってあるあるだよな〉と思い、歌詞に活かしましたね」
――歌詞に使いたい言葉を日常的に携帯にメモしてるんですか?
「すっごいしてますね。だから、メモにたくさんフレーズが入っています」
――どんなときにアイデアが浮かぶことが多いんですか?
「いつでも浮かびますね。漫画を読んでいて良い決め台詞があったらメモったり、小説を読んでいてメモったりするときもあります。あと、街を歩いていて目に入った看板とか、他のアーティストの歌詞とか。刺さったものは、とりあえずメモしています」
――北山さんはソロアーティストになる前から曲作りをされていましたが、その習慣は昔からなんでしょうか?
「昔からですね。いろいろとメモしてたんです。何かに活かせたらいいなと思っていたんだと思います」
――創作活動を積極的にやることで、内面的にはどんな良い影響がありますか?
「ちゃんとアウトプットができる場があって、音楽を通してエンタメに消化できているのは良いですよね。曲作りの先にあるライブのことも想像して作っていますし、自分が今思っていることを世に出せている実感が湧きます。そういう感覚があるのは嬉しいですよね」

僕は自分ならではのものを見つけようとしてきた
――歌もラップもどんどん進化している印象がありますが、影響を受けたボーカリストやラッパーはいますか?
「この世界って、オリジナルが大事だと思うんですよね。そういう教育を受けてきたと思っていて。だから〈誰々っぽい〉というのをそぎ落としながら、オリジナルを目指しているんだと思います。
昔やっていたミュージカルでの発声方法が役立っているところもあるかもしれませんね。歌やラップはお芝居に近いところがあるので。
幼い頃から曲が耳に入ってきたhideやL’Arc〜en〜Ciel、ゆずとかにもろ影響を受けている世代ではあって、そういったアーティストを含めて影響を受けた人は他にもいると思うんですけど、僕は自分ならではのものを見つけようとしてきたんだと思います」
――確かに『波紋-HAMON-』はhideさんのミクスチャーロックのDNAを感じさせながらも、北山さんならではの世界観が築かれていると思います。
「そうあるべきだと思うしね。だから、そういったアーティストから影響を受けていると言えば受けていると思います。カラオケで歌ったりして、自然と血肉化されているものだと思いますし。ラップを自分でやり始める中で、どんどん変わっていったところもあります」
――さまざまな曲と向き合っていく中で自然と歌もラップも引き出しが増えていった、という。
「そうだと思います。僕は、これまで合計で約300曲以上出してると思うんですよ。その中で曲によって自然と歌い分けをしているわけですし、同じ曲でも年々歌が変化していると思いますしね。これからも変わっていくと思います」