2022年の前作が全豪1位を記録するなど、地元オーストラリアで絶大な支持を誇る4人組による、3年ぶり3作目。90年代ブリット・ポップやコクトー・ツインズに通じる4AD系の耽美的サウンドと、現行オルタナ・ロックのビートの強さが共存し、フロントマンのケイレブによるファルセットとシャウトを織り交ぜたナイーヴで揺らぎのある歌声が魅力的なバンドだが、今作は過去作に比べて内省的なトーンが色濃く、同時に芯のある力強さと、耳馴染みのいいポップさも見事に兼ね備える。キャリアを重ねてきたからこそ可能になった、いい意味でストイックで完成度の高い一枚と言っていい。