著者丸山瑤子が〈編曲〉という日本語の意味・概念よりはるかに広義なドイツ語Bearbeitungを用いて全2部、7章+終章で執筆した本書。様々な手法により原典をいじって作り変えたのが〈編曲〉だが、その奥深さたるや計り知れない。作曲家が自作・他作を〈転用〉〈改作〉する行為は、作曲家自らの意思・鍛錬、聴衆からの需要、演奏環境に合わせた音楽の再現性、作曲技法の追求と創造性など、実に様々なBearbeitungであることがわかる。本書第2部ではベートーヴェンの作品を中心に、譜例とともに編曲技法、作曲家ごとの独創性などを明快に解説。〈編曲〉〈こそ〉あるいは〈もまた〉クリエイティヴな世界が広がっている。
丸山瑶子「編曲の世界 クラシック音楽〈受容史〉再考」作曲家が自作・他作を〈転用〉〈改作〉する行為の奥深さと独創性を明快に解説