2025年8月24日の東京・有明アリーナ公演でついに終幕した〈MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”〉。 YouTubeでの無料生配信&アーカイブ配信もおこなわれて大きな話題になったが、MAZZELにとってここはゴールではなくまだ通過点。大きな達成を成し遂げたものの、まだまだ高みを目指す姿勢を見せた最終公演の模様をお届けしよう。 *Mikiki編集部


 

サマソニなど各地で爪痕を残す強力なパフォーマンス

全国ツアー〈MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”〉の最中におこなわれた〈SUMMER SONIC 2025〉。東京公演の2日目でMAZZELのライブを見た。ステージの最前部はファンが押しかけていたが、圧倒的多数を占めていたのはもちろん彼らを初めて見るオーディエンス。そんな空間で、個々の挨拶をしっかりと挟みながら、強力な歌唱とダンスパフォーマンス、全体的に醸し出すストリート感などでしっかりと爪痕を残していたのが印象的だった。

そうやって、各地のイベントにおいて短い時間で初見の観客に印象づけるパフォーマンスをMAZZELは続けている。そのイントロダクションに誘われてMUZE(ファン)になった者が、ワンマン公演に参加するのだ。そしてワンマンで長い時間をかけて繰り広げられるのは、特濃・特盛のMAZZELである。

 

全世界へ、見ていてください

2025年4月に開幕、11会場で17公演がおこなわれた〈Royal Straight Flush〉は、8月24日の有明アリーナでついに最終日を迎えた。収容人数約15,000人という大規模な会場、しかもそこでの2日間のライブをソールドアウトさせた事実は、結成からわずか2年強というMAZZELの人気のほど、それを裏打ちするパフォーマンス力の高さを証明している。

当日の有明アリーナは、ツアー完走に向かう8人をこの目で見よう、MAZZELとともに歌い踊ろう、という熱気と期待感が開演前からむんむんと充満していた。開演時間の17時ぴったりに暗転。絶叫に近い大歓声が響きわたり、中央に階段が設置されたステージ上部の上手と下手が交互にライトアップされる。そこにNAOYA、RYUKI、SEITO、KAIRYU、TAKUTO、HAYATO、EIKI、RANの順で1人ずつ現れ、それぞれがビートに合わせダンスを披露。上手と下手のビジョンには、メンバーの名前とともに姿が映された。完璧な導入。

「始めるぜ!」。不敵な開幕宣言とともに、このうえなく熱い夜の火蓋を切ったのは“J.O.K.E.R.”。ステージ上の階段に集結した8人が、滑らかなマイクリレーと息の合ったダンスで一気に会場を支配し、掌握する。下手でSEITOがお得意のブレイクダンスを繰り広げると、そのキレッキレなパフォーマンスにMUZEも大いに沸いた。スタンドは当然、1曲目から総立ち。

“Counterattack”に雪崩れ込むと、冒頭のRYUKIの大ジャンプに歓声が上がる。まだまだ満足できない、とばかりにSEITOが放った「かかってこい有明!」の一声で会場の温度はさらに上昇。RYUKIがマシンガンラップのあとに舌を出して挑発した〈ジョーカー〉な表情も忘れがたい。RANは「全世界へ、見ていてください」と宣言。続く“Waterfall”では、アッパーなビートに対してMUZEが手拍子やジャンプでノって一体化していった。

 

タオルをぶんぶん振り回してくれたら嬉しい!

「ワッサップ有明アリーナ!」。“Vivid”の軽快なイントロが始まると、NAOYAは「ちゅちゅちゅちゅ♡」とキスの大雨を降らす。8人は会場の最上階の最後部まで余さず視線を届けるだけでなく、YouTube配信で見ているオーディエンスにも欠かさず語りかけた。そのときアリーナ内に早くも現れたのは、4台のトロッコ。上手と下手に分かれた8人が乗り込み、客席の間を縫いつつ、MUZEとコミュニケーションを直に取りながら歌い上げる。推しの名前を口々に叫ぶMUZE。サビではシンガロングも起こった。

EIKIが「MUZE、一緒に踊らない?」と誘うと、“CAME TO DANCE”へ。「タオルをぶんぶん振り回してくれたら嬉しい!」。コール&レスポンス形式で盛り上がってからサビに突入し、タオルぶん回しで会場は一つに。トロッコが花道に至ると、8人はそこを駆け抜けてステージに戻る。KAIRYUの超絶ハイトーンが伸びやかにキマった。

ここで、この日初のMCタイムが開始。深々と律儀なお辞儀で愛のこもった挨拶をすると、自己紹介へ。NAOYAはまた「ぶちゅー♡」と巨大なキスをMUZEに贈る。「今日でファイナルです!」「もっと声出せますよね?」と8人はオーディエンスを煽る。ファンが着用しているグッズを確認したり、配信の同時接続数(6万人!)をチェックしたりしつつ、1人ずつ順番に退場。残ったSEITOとKAIRYUが場を温めつつ、MCは終了した。