アフリカ各地の土着音楽を素材に魅惑のトライバル・ベースを構築していくモロッコ人クリエイター。2021年のファースト・アルバムが評判を呼び、ドミノ傘下のダンス・レーベルへ移籍して放った自身初のCDリリースとなる本2作目は、従来の音源より総じてビートがわかりやすく立った印象です。ジャンベのループがデトロイト・テクノ化する幕開けから、さまざまな部族のチャントを切り貼りした新型フットワーク、ベルベル語が揺れる哀愁ダンスホールなど、斬新なアイデアに惚れ惚れ。汎アフリカ主義的な姿勢も注目されていますが、ひとまず私は難しいことを抜きに踊り倒したいです。