
どんなに嘘をつこうが自分の人生は無修正
――確かに聴く人によって、表情が変わる楽曲と言えそうですね。“「無修正。」”に関してはデジタル色の強いダンサブルなロックナンバーです。歌詞はシリアスですが、曲調はポップな仕上がりですね。
千秋「 この曲は歌詞をつけるときに、自分のポジティブな部分を切り取りたくて。僕の癖として、1曲の中に起承転結を持たせたがるんですよ。悩んで、立ち上がって、みたいな。でもライブだと、そういう曲ばかりだとキツイから。“「火花」”は1曲完結型なんですけど、“「無修正。」”に関してはメンバーに聴かせたときにMiyakoくんから〈この曲は絶対いいよ〉と言われて。僕的には嘘じゃない、自分のポジティブな部分を書きました」
――この曲で自分のポジティブな部分だけを切り取ろうと?
千秋「そういう曲がなかったからです。ライブを2時間やるときにこういうポジティブな曲があると、その前後にあるネガティブな曲が映えるんじゃないかと」
――〈進めセンチメンタル人生〉という造語的な歌詞も千秋さんらしい言い回しですね。この曲のドラムは攻めたアプローチで、特に後半は大暴れしてますよね?
SORA「ドラムはシンプルなので、途中から激しくなるパートまで我慢しているんですよ。どれだけリズミカルにシンプルなビートを叩けるのかを意識しました」
――ベースもこの曲は動きが激しいですよね?
Sacchan「そうですね。メインのリフはギターとユニゾンだけど、サビも僕にしてはずっと動いてますからね」
Miyako「レコーディングの時にカッティングのアプローチを入れようと考えたんですけど。千秋くんと話したときに、ライブで一体感が出るような曲にした方がいいんじゃないかと。俺らの曲はギターで細かいことをやることが多いけど……あえてシンプルに攻めることに挑戦しました。
初めてこの曲を聴いたときに千秋くんにいい曲だと言ったのは、ライブで武器になりそうな曲だなと思ったからなんですよ」
――ライブで踊れて楽しめる曲ですけど、歌詞を読むと、応援ソング的な意味合いも感じました。特に〈無修正〉という言葉のチョイスも面白いですよね?
千秋「もともとは〈センチメンタル無修正〉という仮タイトルだったんですよ。〈無修正〉という言葉の意味合いも難しくて。例えば〈隠したい過去なら 必死に隠し通せばいい〉の歌詞も、それが無修正なの?という話じゃないですか。でもどんなに嘘をつこうとも……自分の人生は無修正だと思うから。そういう気持ちで書きました」
“My Unhappy Life”のヘヴィさに対する複雑な思い
――もう1曲の“My Unhappy Life”はヘヴィロックな曲調です。この辺りの音楽はどこがルーツになっているんですか?
千秋「僕の音楽体験は基本the GazettEから始まって……洋楽も聴いてこなかったんですよ。the GazettEが好きで高校の頃にライブに行ったから。その初期衝動のみですね。
レコーデイングを終えて、ぶっちゃけ、自分らの音楽には合わないなと思いました。僕的にはこのメロディと歌詞にダウンチューニングが合っているかどうかわからなくて。でも今回はそれをポジティブに感じることができました」
――歌詞のテーマにサウンドはばっちり合ってますけどね。
千秋「そうなんですけどね。いろいろ思うことはあります」
SORA「この曲を聴いたときに自分のルーツにはあまりない曲調で。客観的に聴いたときのイメージは真っ赤だったんですよ」
Miyako「俺はビジュアル系で通っているものが千秋くんと似ていて。フレーズで懐かしさを感じるところもあり、それだけでも良くないから。ラストのサビに自分らしいギターフレーズを入れられたので、レコーディング自体は楽しめましたね」
Sacchan「この曲を聴いたときに〈イントロかっこいい!〉と思ったんですよ。前作(『yourself: ATTITUDE』)でラウドめの曲もあり、DEZERTっぽいシニカルさやポップさを織り交ぜていた曲なので、自分の中ではワクワクしましたね。
既にライブでもやっているんですけど、SORAくんが言ったような真っ赤だったり、ダークな感じを曲のイントロで感じるから。久しぶりにこういう曲が来たなと」
――歌詞の前半で〈辿り着いた場所が理想と違っても 割り切れそうかい?〉と問いかけていますが、後半では〈だから続いてゆく旅が理想と違っても 割り切れそうだ〉と力強く言い切った内容で、この曲もポジティブな締め括りですよね?
千秋「僕の中では“「火花」”がニュートラル、“「無修正。」”がポジティブ、“My Unhappy Life”がネガティブの3本立てで曲を出したかったんですよ。僕の中でですよ? そういうバランスで幕張メッセ公演前に出したかったから。ライブをやる中で、6月のミニアルバムだけのメッセージではちょっと足りない部分を感じたから。どうしてもこのタイミングで必要だな、という直感が働いたんです」