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私が〈愛してる〉って歌っても、寂しさは消せない

――いわゆる歌の巧さでいうと、路上ライブをやっていた時と比べて巧くなったと自分では思います?

「うわ、どうだ。巧くなったのかな。巧くなったのかもしれない。でもどうなんだろう……私めちゃくちゃ何も考えてないから、そこらへん。

でも……誰しもが、そこに存在して歌っているということが全てじゃないですか。だからそういう意味で言うと、自分が在りたいように在ることが大事ですよね。〈愛してる〉とか普遍的な言葉を、私が歌うということに意味がありますっていう。だってもう、私が〈愛してる〉って言っても絶対なんか寂しそうだもん。その寂しさは多分消せない」

――言葉と歌に、生きてきた重みが乗っかる。

「そうそう。歌ってる人でも、〈そんなわけないじゃん〉って思う人は結構いるんですよ。ライブとか見ててさ、君は本当はそんな攻撃的ではなくって、もっと心の内側は柔らかいはずだよね?という人はいるじゃないですか。でもライブ始まった時と終わった時で、明らかに何か救われているのが分かる。そういう、一人の人間が救われていく瞬間を見たいっていう気持ちはある」

――ちょっと、変な質問かもしれないんですけど、後から自分の曲を聴いて、なんでこんなこと歌ってるんだろうって思ったりすることってありますか?

「めっちゃありますよ。めちゃくちゃある。なんなら、曲ができて5秒後ぐらいに思ってる」

――早い(笑)。

「あるなぁ。めんどくせえ女!とかって思いますもん。たぶん、作り終わったら満足するからなんでしょうね。ひとつの出来事としてパッケージになった時点で勝手に腑に落ちたりして。究極の自己満足です。

たとえば、今回のアルバムだと“私のために仕事を休め”っていう曲とか、もうできて次の日ぐらいには赤面してた。超恥ずかしいわ、って言って。だから、ライブでも歌うことがあるんですけど、この曲は私が恥ずかしがっている様子をぜひ楽しんでいただきたいです」

――“結婚しよう”とかも、なかなか凄い曲ですよね。

「これは、結婚したら孤独でしたってことかも。本当に私、結婚した時に書いたんですよ、この曲。でも、だから離婚したのかもしれない」

――曲を作ってる中で、ここは譲れないなっていうポイントとか、どうしてもこだわっちゃうことってありますか?

「すごく狭いことを歌うってことかな。大きすぎることは歌わない。国のことを歌うよりは、街のことを歌う。あえて視野を狭くする。でも、縮図だよなって思いますね。男女の痴情のもつれを見てると、戦争も終わんねえよなって思うし」

 

ちゃんと生き延びられた

――“アマニタパンセリナ”はちょっと異色ですよね。展開が複雑で、制作過程が気になりました。

「あれ、1時間ぐらいで作った曲なんですよ。その日に宅録して、次の日にYouTubeに上げた記憶があります。最初のツンチャチャ、ツンチャチャみたいなのをずっとループさせて。で、そこにメロディと思いついたことを乗っけていって、ここは残す/ここはいらんっていうのを繰り返していった。で、急に飽きたんで、突然バーッと広がりを見せる自問自答タイムみたいな部分を設けました」

――基本的な曲構造的としては、ループですよね。ループへのこだわりを感じるアルバム。

「テクニカルにしない、ドラマティックにしない、っていうのは気にしてます。演出を省きたい」

――それはなぜ?

「ドラマティックなのが苦手ってだけです。変に冷静になって、笑っちゃうっていうか。すごい辛い、ほんと死んでしまいたいぐらいのことであっても、そんなの世の中的には取るに足らないことじゃないですか。そんなに何を怒ってるんですかね?と笑っちゃって急に冷静になっちゃう。それは、子どもの頃から」

――幼少期の魚住さんが、今の自分の音楽活動を見たらどう思うでしょう?

「喜ぶと思う。でもその前に、〈本当に生きてるんだ〉って思うだろうな。ちゃんと大人になってる!って」

 


RELEASE INFORMATION

魚住英里奈 『永遠なんて』 魚住造船(2026)

リリ-ス日:2026年3月25日(水)
品番:UZZ-001
価格:2,970円(税込)

TRACKLIST
1. 放っとく風に身を任せてる
2. 勇敢なソーダ
3. 私のために仕事を休め
4. ノルレボ
5. 結婚しよう
6. 僕は餃子を焼くBOY
7. アマニタパンセリナ
8. バラード
9. 終電
10. 永遠なんて

 

EVENT INFORMATION
魚住英里奈 2nd Album『永遠なんて』発売記念インストアイベント

2026年4月5日(日)東京・渋谷 ULTRA SHIBUYA
開場/開演:13:30/14:00
出演:魚住英里奈

詳細ページ:https://ultra-shibuya.com/shop/e/e10000376/
※イベント観覧は無料となります
※ご入場時にドリンク代700円を頂戴いたします
※イベント対象商品をご予約いただいた方優先で、ご入場・ご観覧いただけます
※観覧人数には制限を設けさせていただきます。イベント対象商品ご予約者様優先で、定員に達し次第締め切りとさせていただきます

 

LIVE INFORMATION
心臓にジャンプ

2026年5月15日(金)東京・池袋 手刀(チョップ)
開場/開演:18:45/19:15
前売券/当日券:4,900円(+1d)/5,400円(+1d)
TIGET:https://tiget.net/events/473132

 


PROFILE: 魚住英里奈
1997年生まれ。中学卒業後、地元・熊本のローカルアイドルグループに加入。グループに2~3年在籍したのち、歌う喜びに目覚める。その後上京し、20歳の頃から曲を作ってライブハウスで弾き語りを始める。過去にライブや録音で共演したのは、灰野敬二、ASA-CHANG、内橋和久、中尾勘二、豊田道倫(豊田は魚住の曲“バニラ”をカバーしていた)など。2022年9月、『ISO1600の花嫁』をリリース。2026年3月25日に満を持してセカンドアルバム『永遠なんて』をリリースした。
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