一見ポップとも言えるジャケに反し内容は激ディープ。アラブ音楽文化圏を中心に使用されるフレットレスの弦楽器ウードの神童と呼ばれながら、一時期ギタリストとしてフラメンコやブラックメタルへ傾倒していたというサミール・アウアドの初アルバム。その異色のキャリアは再びウードへと向かい合ったサミールに古典ともモダンとも一線を画す表現力をもたらした。独奏を中心に、ジャズ的即興やストリングスを交えたドラマチックな展開以上に彼のウードの響きは流れ行く時の果てしなさを感じさせ、それがノスタルジーに繋がるのではなく、自身の内面奥深くを旅するサウンドトラックのように聴こえる。
サミール・アウアド(Samir Aouad)『Casablanca』弦楽器ウードの独奏を中心にジャズ的即興やストリングスを交えた激ディープな初作