Number_iが新曲“BUGS LIFE”を配信リリースした。今年1月に発表した“3XL”以来となる楽曲は、2026年9月23日(水)にリリースするトリプルAサイドシングルに表題曲の1曲として収録される。一度聴いたら耳から離れない、Number_i節が炸裂したアップチューンをライターの柚月裕実にレビューしてもらった。 *Mikiki編集部

Number_i 『BUGS LIFE』 Atlantic(2026)

 

Number_i専用にチューニングしたフォンクチューン

平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太からなるボーイズグループNumber_iが、7月13日に新曲“BUGS LIFE”をデジタルリリースした。本作はBillboard JAPANのHot Shot Songsをはじめとする各チャートの週間ランキングで1位を獲得するなど、好調な滑り出しを見せている。

“BUGS LIFE”は神宮寺がプロデュースを務めており、〈デジタルというものは何か〉というテーマを紐解いていくことから制作がスタートしたという。Number_iの公式YouTubeチャンネルで公開された本作のMVでは、そんな彼らの意図を存分に味わえる世界観が広がっている。だだっ広いオフィスビルと思しきフロアで「タマゴ!」「タマゴじゃないよ」と何やら楽しげなトークを交わす3人のシーンからMVは始まる。するとソファに座っていた神宮寺が突如手で顔を覆い、ゆっくりと立ち上がる。そして彼の口から精密機器で作られたようなバグ(蛾)が飛び出してくるのだった。

のっけから摩訶不思議な世界観へと引き込む展開だが、これも〈初期のコンピューターに本物の虫(蛾)が混入した〉というバグの語源とされているエピソードをモチーフにしたのだそう。〈デジタル〉が鍵となっているように、映像の端々からそのテーマを感じさせるような演出がなされている。

楽曲面でいえば、主に90年代のメンフィスラップなどからの流れを汲むジャンル〈フォンク〉を採用している点にも注目したい。これまでもヒップホップに根差したジャンルやサウンドにトライしてきたNumber_iだが、今回もフォンク(細かくいえばダークでハードなビートを用いたドリフトフォンク)という型を歌って踊るという自分たちのパフォーマンスにあわせてチューニングしているようだ。

歌唱面においては、洪水のように押し寄せるデジタルサウンドの世界に翻弄されながらも、3人はリスナーの脳にガツンと響くような低音でインパクトをもたらす。3人がそれぞれの声色で〈BugだBugBugBug/これはBugだろ〉と連呼する場面や、〈バグるNumber/カサブランカ/純度100のネイティブダンサー〉のように押韻や語感を強調する場面など、彼らの多彩な歌唱力を堪能することができる。

ダンスの面では、彼らの特徴ともいえる音を細かく拾うスタイルは今回も健在。そして単にスキルやパワーで押し切るのではなく、曲の盛り上がりにあわせて動きの激しさやキレが徐々に増していく、楽曲に沿ったストーリー性のある構成になっているのも流石だ。また、〈BUGS LIFE/I Ride 乳母車/歪むDouble Eyes〉の部分は歌詞にあわせるように虫や乳母車を想起させる振付がなされているほか、実際にバグのような違和感を持たせるため、MV撮影時には一部のダンスパートで“BUGS LIFE”とは違う曲を流して踊っていたという。こうしたわかりやすい遊び心と、隠されたこだわりが絶妙な塩梅で混ざりあっているところにもNumber_iらしさを感じる。