過去、現在、そして未来へつなぐ新作&ベスト盤の10周年記念作品
ウクレレ・プレイヤーの名渡山遼は、音楽制作の一部という考えから、奏でたい音色を求めて、ウクレレを自ら製作している。
「木材を選ぶところから始めるのですが、ハワイっぽい音が欲しい場合はハワイアン・コア。新作でモーツァルトの“トルコ行進曲”を弾いていますが、クラシックの演奏ではヴァイオリンにも使われるホワイト・シカモアにすると、ヨーロッパ的サウンドになるんです」

メジャーデビュー10周年記念のアルバム『Beyond the Rainbow』は、新作とベスト盤の2枚組。ベスト盤には代表曲12曲、新作では新曲から洋楽、クラシック、セルフカヴァーと幅広く選曲されていて、坂本九の“心の瞳”も取り上げられている。
「セルフカヴァーの2曲は、よくライヴで演奏する曲なのですが、自分の頭の中で鳴っている音とオリジナルの音源の間に差が生じてきたので、このタイミングでと。“心の瞳”は中学の卒業式で、サプライズで合唱した想い出があるのと、家族からのリクエストがあったので、選びました」
その“心の瞳”は、合唱を彷彿させるピアノのイントロがとても印象的だ。彼にとって頭の中で鳴っている音が重要なのだろう。作曲も「日記のような感覚で残すもので、何かに感動したり、美しい景色に心揺さぶられたりすると生まれる」ものだったが、今回は珍しく生みの苦しみを経験した。
「10周年ということで、空に広がる立派な虹を追いかけて、作曲もイギリスの湖水地方で30~40曲くらい書いたのですが、レコーディング直前になんか迷走しているなと疑問に思って。そこから子供と遊ぶ時間を持ち、毎日を丁寧に過ごすなかで生まれたのが、この3曲の新曲になります」
“Nemophila”、“Treasure”、“Iris”という新曲は、彼の言葉を裏付けるような優しさと愛おしさに溢れていて、直前の苦悩なんて微塵も感じさせない。レコーディングも手の傷などを気にせずに子供と遊んだことで、爪の状態がベストではないなかで始まったが、「最高にキレイな音ではないけれど、自分が目指していた音がここにあった」と感じたそうだ。
そこに見え隠れするのは、今回の記念作品が新たな10年に向けての道を拓く起点となるだろうということ。彼自身も「名渡山遼の全てを知っていただけるアルバムになっているんじゃないかと思います。さらに自分がこれからどういう道に進んでいくのか、そのスタートラインに立てたらいいなと思う作品でもあります」と語っている。
LIVE INFORMATION
Major Debut 10th Anniversary Ryo’s Uke Journey ~Beyond the Rainbow~
2026年7月12日(日)よみうり大手町ホール
開場/開演:15:00/15:30
Special Guest:DEPAPEPE/三浦拓也
https://ryonatoyama.com/