鬼才ギレルモ・スコット・ヘレンがプレフューズ73名義で放つ4年振りのアルバム。ここ5~6年は、ダイアモンド・ウォッチ・リスト、ピアノ・オーヴァーロード、サンズ・オブ・ザ・モーニング等々、多岐に渡るプロジェクトでポスト・ロックからエクスペリメンタル、はては南米音楽まで、探求の旅を繰り広げてきたが、EP2枚をコンパイルした本作では再びビート&リズムに対する意識が高まったようだ。しかし、エディットやヒップホップ、IDMは当然のこと、美麗なメロディやサイケ&ドリーミーな幻想的世界観まで持ち込み、これまでの音楽変遷を巡る壮大なスケールへと作品を仕立てたのはお見事。  

 


ギレルモ・スコット・へレンの、プレフューズ73名義では『The Only She Chapters』以来となる作品。もともとは今年中に3枚の作品として個別リリースする予定だったものを日本先行でギュッと2枚組にまとめて出してしまったという、全28曲の大作であります。以前よりもっと複雑に編み込まれたサウンドは実験精神を保ちながらも美しくまとめられており、数多いるフォロワーたちの追随を許さない流石の出来。