二度寝の直前に感じるエスケーピズムの甘味。覚醒と黄昏の狭間で心が揺らぎながらも落ちていくあの危険で逃れがたい気分だけを抽出できたらどれだけ気持ちが良いか……。ティーブスの描く色鮮やかな調べにはそんな甘味が潜んでいるのかもしれない。温かい電子音やノイズの断片、鳥のさえずり(重要)が、微炭酸のように刻まれた美麗ビートの上を穏やかに漂流する音像のなかにいると、じんわりと込み上げる昂揚感すら音色の美しさに掻き消され、楽園世界へと吸い込まれていくようだ。客演勢もプレフューズ73やジョンティら桃源郷を愛する人ばかりで、ジャガ・ジャジストのラーシュ・ホーントヴェットのバスクラがマジカルな響きで華を添えた“Wavxxes”には寝坊覚悟の優雅なひとときを味わえる!