服役であっけなく忘れられたブーシーだが、出所してメジャーと再契約するやブランクを一気に取り戻し、この5年ぶりの新作ではキャリア最高の全米3位を記録している。リック・ロスジーズィといった後ろ盾の頼もしさ以上に、A&Rも務めたキーノナイトライダーズ)の采配によるルイジアナ作法の徹底が全編に乾いたヤバさを持ち込み、鼻にかかった甲高い声で速射ラップからダルいフックまでをズルズル歌いこなす主役の個性を存分に引き出しているのが素晴らしい。キーシャ・コールクリス・ブラウンの花束で彩りをつけ、盟友ウェビーマウスとの再会で下品に盛り上がりつつ、終盤の“Hands Up”では社会派な側面も見せる。逆境に喘いできたトリル軍団の巻き返しにも期待したくなる文句ナシの傑作!